冬至に柚子湯へ入るのは、冬至を「湯治」に、柚子を「融通」にかけ、健康に過ごすという語呂合わせから生まれました。もともとは厄払いをするために身を清める「禊」(みそぎ)からといわれています。
「ユズ」は日本の果実の中で、最も成長が遅く、忘れた頃に実をつけます。昔からいろいろな果実が熟すまでの期間を、「桃栗3年 柿8年 枇杷9年でなりかねる 梅は酸い酸い13年 柚子の大馬鹿18年」と歌われてきました。ユズは実るまでに長い年月を経るため、柚子湯には長年の苦労が実りますとの願いが込められています。
ユズの由来は、中国語の「ユーズ」(柚子)が訛(なま)ったものです。「柚」のつくり「由」には、「通り抜ける」という意味があるので、サンズイ(水)をつけると「油」になり、「通りの良い液体」の意味になります。キヘン(木)を組み合わせると「穴を開けるとたくさんの汁が通り抜ける果実」で、「柚」となります。
枝についたユズの写真で、右側は枝に密着した柄(へた)、左側は花が咲く部分(写真は萎んだ状態)ですので、花を主体に見れば、果実の頭(上)は左側、尻(下)は柄(へた)のある右側となり、普通テーブル等に置く時には、尻が上(写真下)になっています。