川崎市高津区の株式会社ミツトヨは、世界有数の精密測定機器の総合メーカー。携帯電話から自動車、ロケットまで、さまざまなモノの開発・製造に、同社の測る技術が貢献しています。取扱種類は、精密測定業界最多の5,500種以上。創業から世界最高品質のものづくりを目指し、世界60カ国以上に販売ネットワークを展開してきた同社は、今年90周年に。
10月には、地域に向けた感謝を伝え、築き上げた事業や取り組みを知ってもらおうと、90周年記念感謝祭を開催。感謝祭では能登半島の被災地への復興応援イベントも実施しました。
企業の社会的使命を
ミツトヨでは、大規模自然災害による大きな被害が発生した際に企業として社会的使命を果たしていくための基本的な考え方を定め、被災地へ迅速に支援できるようにしています。2024年1月に発生した能登半島地震でも被災地の方々の声を聴き、水・毛布・簡易トイレに加えて歯ブラシ等の衛生品も含めた物資支援を行ってきました。今回は「被災地の経済的復興に向けてできることを」と考え、能登の特産品を販売。社員や来場者、市内17校の中学生などからの応援メッセージももらい、みんなで被災地を応援していく気持ちを示しながらイベントを盛り上げました。
「イベント開催にあたりご協力をいただいた、石川県(東京事務所)や輪島市、生産者の皆さまへも一人ひとりの被災地を応援したい気持ちをカタチにし、ご報告できました」と担当者。「一企業として、また一個人としてもあらゆる関係者をつなぐことができ、大変貴重な経験ができました。今後も、少しでも被災地の皆さまのお力になれるような応援企画を考えていきたい」と語りました。
このほか当日は、ステージでの演奏や工場見学、キッチンカー、ノギス作り&測定体験なども。宇都宮、広島など各地の感謝祭を含め、全拠点で約3,500人が来場し、様々な形で同社を知る機会となりました。
90年の歴史に変わらぬ「測る」技術への思い
1934年、国内ではまだ輸入に依存していたマイクロメーターを国産化しようと、東京・蒲田の小さな研究所からスタートしたミツトヨ。1963年に初の海外拠点となるアメリカ、5年後にはドイツに販売拠点を設立以降、南米、ヨーロッパ、アジアへと世界各国にネットワークを拡大。創業当初からの「世界最高品質のものづくり」「強いこだわりを持った技術」で、現在のグローバルカンパニーとしての立ち位置を確立しました。
川崎の「ものづくり」を若い世代に
現在の本社は、1940年に「溝の口工場」として操業開始した、生産と開発の拠点。1993年に本社機能を集約して以降、市内中心に神奈川県全体でも様々な形で地域貢献活動を実践してきました。
県主催の「かながわサイエンスサマー」の同社教室には、地域の子どもたちなどこれまで計1,500人が参加。川崎市教育委員会主催の中学校連合文化祭(理科生徒研究発表会)でも同社が発表会場となり、優秀発表者に特注デジタルノギスを贈呈するなど、次世代を担う子どもたちが技術やものづくりに興味・関心を持つきっかけ・思い出作りに取り組んできました。
また、関係各所と連携し2050年の二酸化炭素の排出量実質ゼロを目指す川崎市の取り組み「脱炭素アクションみぞのくち」にも参加。総務で企画全般を担当する平野さんは、「今後も様々な仕掛けを企画し、行政や大学、企業との連携に挑戦していきたい。ミツトヨらしい新しい地域・社会への貢献のカタチを創造していきたいと考えています」と語りました。
2034年には100周年を迎えるミツトヨ
「私たちの最大のミッションは、お客様の事業発展や世界の産業・技術の進展に貢献すること。そのために精密測定に関する課題を解決し、精密測定技術の錬磨や革新を続けています」
100周年という次なる大きな節目に向け、今後も「測る」の先にある、新しい価値を提案するソリューションカンパニーとして進化しつづけていきます。