今年の夏は丹沢登山に初挑戦しよう!と思っている方も多いのでは?ただ、自然相手の登山。どんな山でも気楽に登ろうとするのは禁物です。
山は天気が急変しやすく、様々なリスクも背負っての登山だという高い意識を持った装備や対策が重要です。そこで今回、“山大好き男”の秦野市役所職員の大森祐介さんが、登山のノウハウについて解説します。
1.道具を揃えよう!
飲み物、食料、ヘッドランプ、救急セット、雨具、着替えなどの装備が必要ですが、中でも最重要装備が「登山靴」です。以下、登山靴選びのポイントです。
- どんなに低い山でもスニーカーや普段履きは絶対にダメ。靴ズレ、膝、足首を痛め滑落につながるケースも
- 足首、足の甲をしっかり支えてくれる「ちょっと重いかな?」と思うくらいのどっしりタイプの登山靴を選ぶ
- アウトドア専門店では足の形状を測定してくれるサービスもあるので、プロのアドバイスによる登山靴選びもおすすめ
2.ルートを事前確認しよう
警視庁の平成28年度態用別山岳遭難データによると、山岳遭難の原因で最も多いのが「道迷い」です。登山口に着いて何となく登り始めるのではなく、地図で事前にルートを確認し、さらに、ポイント地点の目安時間も把握しておきましょう。
最近は登山アプリもたくさんありますが、充電や電波、雨による漏電の心配が要らない紙地図は必須でしょう。防水加工された地図もあるのでコンパスと一緒に持参しましょう。
登山計画書もお忘れなく
万が一、事故や遭難した場合、迅速な救出活動につなげるために登山計画書を提出しましょう。決まったフォーマットはないので、紙に名前や行き先、日程などを明記し、登山口の登山届ポストや警察署に提出しましょう。なお、神奈川県警察HPのオンライン登山計画書届出フォームを利用するのも良いでしょう。
3.ヤマビル対策をしよう
「下山したら血だらけになっていた…」なんてことも。犯人は吸血性ヒル『ヤマビル』です。湿気の多いところに潜み、夏山シーズンの5月~10月頃が活発のピーク。
秦野市ではヤマビル被害防止対策事業を行っており、丹沢をはじめ各地で薬剤散布などを定期的に行っていますが、根絶には至りません。登山出発前にできるヤマビル対策を行いましょう。
- 雨上がりは特に注意して歩く
- 登山靴はくるぶしまで覆えるものを
- 足首が出ないハイソックスかつ網目の細かいものを履く
- 靴下と靴の隙間などにヤマビル対策用の薬や濃度20%以上の食塩水をスプレーする
- シャツの裾はズボンの中に入れる