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【まとめ動画付レポ】初心者必読「新しい安全登山」のススメwithコロナ<表丹沢の登山口・秦野編>

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【まとめ動画付レポ】初心者必読「新しい安全登山」のススメwithコロナ<表丹沢の登山口・秦野編>
新型コロナ感染予防も意識した、新しい登山様式をレポート(写真は丹沢表尾根縦走中)

弘法山など標高200m級の低山から、表丹沢最高峰の標高約1491m「塔ノ岳」の本格登山まで神奈川県秦野市では、初心者からベテランまで様々な『山旅』が楽しめます。しかし、楽しい登山も元気で無事に帰ることができてこそ特に登山初心者の方は「あの山に登りたい!」という思いだけが先走り、いきなり本格登山に挑戦するケースも。そこで、神奈川県山岳連盟のみなさんに、withコロナ時代だから気を付けたいポイントとともに、これからの安全登山についてレクチャーいただきました。

<目次>

【登山準備編】
1.登山計画を立てる
2.身体のコンディションを万全に
3.装備のチェック
4.登山計画の共有(登山計画書の提出)

【登山編】
1.道に迷わないように1/25000の地形図とコンパスを活用する
2.天気・怪我・体調不良などリスクマネジメントを
3.山小屋での過ごし方

【下山編】
早めの下山を心掛ける

【動画で安全登山】
1.「そうよ、そうなの 遭難よ」(日本山岳・スポーツクライミング協会提供)
2.秦野で安全登山のススメwithコロナ(秦野市提供)

【神奈川県山岳連盟推奨ガイド資料】
国立登山研修所ホームページ
1.百万人の山と自然「安全登山ブック2020」
2.高校山岳部はじめの一歩

【登山準備編】安全登山の極意は「準備」にあり!

「登山は準備が半分」というほど事前の登山計画が最も重要です。地図やガイドブックの情報を目安に、自分の経験や体力に合った山やコースを慎重に選びましょう。単独登山はせず、なるべく複数人で登山するようにしてください。また、3日前から天気予報に注意を払い、天候の状況によっては事前に中止を。「山岳保険に入りましょう。保険加入は登山者のマナーです」(神奈川県山岳連盟)。

withコロナポイント
登山メンバーの人数は、登山道や休憩場所で密集・密接を避けるため、少ない人数での登山を心掛けよう。長期間の登山自粛により、予想以上に体力が低下していることも。歩行時間の短いハイキング、里山の登山など負担の少ない活動から始めるなど、自分の体力を確認し、リスクの少ない行程やルートを選んだ登山計画を立てよう。

単独登山ではなく、グループ登山を

  • ワンポイントアドバイス 山やコースの選び方としては、徐々にレベルを上げていくことです。「低山」→「高山」、「短」→「長」、「易」→「難」

withコロナポイント!
自治体が登山者に向けて自粛を要請している場合もあるので、必ず事前に確認を。また、感染症対策のため山小屋の営業時間が変則的になっていたり、休業している場合も。山小屋を利用する際は、事前の予約と、感染拡大防止のためのルールがあるかの確認を。さらに、駐車場やテント場、水場、トイレ利用についてもHPなどで事前にチェック。

<おすすめイベント情報>スマホでデジタルスタンプラリー「YAMASTA」(山と溪谷社):2020年8月1日~2021年2月28日まで開催中!弘法山(235m)や岳ノ台(標高899m)など初心者向け登山コースなどを巡るスタンプラリーイベント。計5コースあり。

  • 詳細は以下画像をクリック!

前日の暴飲暴食は登山のコンディションに響きます

登山前は体調を整え、良好なコンディションで臨むことが大事です。寝不足や飲みすぎ、食事抜きなどの不摂生などによる体調不良は、怪我や事故のもとになります。自然相手の登山。どんな山でも気楽に登ろうとするのは禁物です。

withコロナポイント!
登山の2週間前からの体調と体温を記録。この間に体調不良等があった場合は、登山を見送る。検温と自分の行動を記録しておくと、万が一感染が疑われた場合でも感染経路のヒアリングに協力することができる。

  • 「体調不良(平熱を超える発熱、悪寒、倦怠感、息苦しさ、咳等)での登山は止めましょう。入山後に新型コロナウイルス感染症を発症すると命に関わり、救助隊、収容先地元医療機関に多大の迷惑を及ぼします」(登山再開に向けてのガイドライン「2」から抜粋)。その他、登山前の体調管理や感染予防対策についての項目は山岳四団体声明「登山再開に向けてのガイドライン」をチェック。

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登山靴は登る山やコースに応じて身体に合うものを選びましょう。リュックサックは「食う」「寝る」「歩く」に必要な道具を詰め込むのに、十分な余裕のあるものを選びましょう。

  • 基本装備…登山靴・リュックサック・雨具
  • 標準携行品(個人装備)…地図、コンパス、腕時計、ヘッドランプ、登山の日程に必要な分の飲料や食料、モバイルバッテリー、レスキューシート、救急セット、ロープ、健康保険証のコピーなど※スマホ等に内蔵の地図やコンパス、ライト等は充電がなくなると使えなくなります。天候や電波など関係なく使えるものを持つと良いでしょう。
  • ウェア…ウェアは重ね着が基本。脱ぎ着できるようにしましょう(綿素材は避け、化繊等の速乾性のあるものに)。帽子、手袋、厚手の靴下のほか、防寒着(夏でも)の用意も。また、雨具(レインウェア)は防寒具にもなります。山の天気は変わりやすいので、たとえ晴れの天気予報でも、必ず携帯を。ジャケットとパンツのセパレートタイプが必要です。

withコロナポイント!
山小屋で購入できないことも考え、食料や水はいつもより多めに持参を。そのほか、携帯トイレ、マスクとジッパー付きのビニール袋、ネックゲーターなど飛沫対策も重要。体温計、アルコールジェル(消毒液)、感染予防対策のための使い捨て手袋などを複数枚入れたファーストエイドキットも用意しよう。

  • ワンポイントアドバイス
    一般的に以下の計算で算出できます。
    ①エネルギー消費量(kcal)=体重(kg)×行動時間(h)×5
    ②脱水量(ml)=体重(kg)×行動時間(h)×5

ヤマビル対策も忘れずに

眼点が10個あり、明暗を感知することができ、物の動きもわずかに識別できるという…!(画像:秦野市HPより)

丹沢はヤマビルが多く確認される山岳エリア。「下山したら血だらけになっていた…」なんてことも。犯人は吸血性ヒル『ヤマビル』です。湿気の多いところに潜み、夏山シーズンの5月~10月頃が活発になるピーク。

秦野市ではヤマビル被害防止対策事業を行っており、丹沢をはじめ各地で薬剤散布などを定期的に行っていますが、根絶には至っていません。登山出発前にできるヤマビル対策を行いましょう。

ヤマビル忌避剤を登山靴全体+登山靴と靴下の隙間にまんべんなくスプレー

  • 雨上がりは特に注意して歩く
  • 登山靴はくるぶしまで覆えるものを
  • 足首が出ないハイソックスかつ網目の細かいものを履く
  • 靴下と靴の隙間などにヤマビル対策用の薬や濃度20%以上の食塩水をスプレーする
  • ホームセンターなどの販売店やインターネットでヤマビル用忌避剤を購入
  • シャツの裾はズボンの中に入れる
  • 靴下を塩漬けにしておいて履く

下山時に最寄りの駅までヤマビルを連れ込まないよう細心の注意を払いましょう。詳細は秦野市HPで確認を。

感染予防も考えてネットで登山計画書の提出を

登山の日程やコース、同行者等は必ず家族や友人と共有しておいてください。また、登山をする山の管轄警察署または現地の投函箱には「登山計画書」を提出しましょう。

  • 登山計画書記入時のワンポイントアドバイス ①「エスケープルート」(天候や体調不良などで登山計画が遂行できない場合に速やかに下山する危険回避のルート)の記載を忘れずに。②緊急連絡先。意外と書き忘れが多いので必ず。

with コロナポイント! ネットで登山計画書
登山口での記入は、密集を生む恐れがあり、筆記用具の使い回しにより感染リスクがあるため、神奈川県警のHPからインターネットで提出しよう。パソコンやスマホで簡単に登山計画書の作成から提出まで出来るので便利。

神奈川県山岳連盟が推奨する登山計画書の様式例とおすすめ登山届です。

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【登山編】道迷いにご注意を!

ベースプレートコンパスを活用。目指す山の方角を定めていざ出発!

警視庁の令和元年度の態様別山岳遭難データによると、山岳遭難の原因で最も多いのが「道迷い」です。登山道には様々な道標(登山標識)があるので、進行方向をチェックしながら進みましょう。

秦野の山は比較的、登山道が整備されているので、案内標識もポイントごとに親切に記されています。ただし、里山周辺は、作業道・獣道が交差している場所があるので、注意しましょう。

スマホやGPSがあるからと地図とコンパスを持たないで山に登っていませんか?道標がわかりにくい分岐や登り口、また濃霧などで見落としたりする場合があるので、地形図やコンパスを活用することが重要です。

  • コンパスのワンポイントアドバイス コンパスは「ベースプレートコンパス」がおすすめ。コンパスと透明なプレートで出来ているので、地図の上に置きながら地図を読むことが可能。方角確認、現在地確認、地図読みと広い用途で使えるのがメリットです。なお、スマホなどを活用したGPS機能は、現在地確認に便利。

登山中は様々なアクシデントが起こります。アクシデントが発生した場合は、行動を中断し、安全確保ののち引き返す計画も立ててください。登山には「下山する勇気」も必要です。

  • 夏山シーズンのワンポイントアドバイス
    落雷:早発・早着で回避
    ねんざ:出発前のストレッチ
    熱中症:登山前、中、後に水分補給
    低体温症:休憩中は、こまめにエネルギー補給で体温維持

withコロナポイント!
他者との距離を2m以上保ちながら登ろう。登山道でのすれ違い時は距離感を意識し、挨拶は目礼で済ませよう。熱中症予防の観点から、他者との距離が確保できる場合は、マスクの着用はマストではないが、混雑している休憩場所で会話する際や山小屋利用時など、状況に応じてマスクを着用しよう。マスクを外している時は飛沫を浴びない、浴びせないように注意しよう。

飛沫感染防止のためなるべく声を出さずに山の挨拶をしよう

登山中はクサリやハシゴ、岩、樹木など色々なものに触れるため、あまり素手で顔に触れないように。山では石けんによる手洗いが難しいため、トイレや山小屋の出入りなどの共有設備の使用時や食事の前などは、アルコール消毒液で手指の消毒をこまめにしよう。使用済みの除菌用ウェットティッシュなどは、ジッパー付きのビニール袋などに入れ、密閉して持ち帰ろう。

塔ノ岳山頂「尊仏山荘」

山小屋では到着は午後3時~4時頃、翌朝は未明から午前7時ごろの早発ちを心がけましょう。ゆとりをもって行動することが大事です。

  • ワンポイントアドバイス 塔ノ岳を中心に表尾根には、バイオトイレ(水を使わず、人の排泄物を 微生物(バイオ)の力で分解・処理)が設置されています。保全管理援助のためにも山のトイレチップ(100円・50円)としてぜひご協力を。また、使用済みトイレットペーパー等のゴミは必ず持ち帰るのが登山マナーです。

丹沢山小屋組合長に聞く「山小屋利用とコロナ対策」

山小屋の利用時と登山について語る丹沢山小屋組合長の村上隆史さん

丹沢山小屋組合長の村上隆史さんに話を聞きました。まず山小屋利用で大切なのは、「事前によく調べて登山に臨むこと」。ルートの確認はもちろん、山小屋が営業しているのか、予約の有無などは事前に確認を。

「突然来られてしまうと、他の利用者との適切な距離が保てないといった状況になりかねず、利用者の安全管理の面からも困ってしまいます」。

体調が優れない時は無理は禁物

また、体調が悪いときは無理をしないこと。「途中で登れなくなってしまったら、一緒に行った仲間にも迷惑が掛かってしまうし、救助隊を呼ぶことになってしまったら地元の消防などにも影響してしまう。周りへの配慮も忘れないでほしいです」。

「自然が多い山に来ればコロナの対策をしなくていいということではありません。登山の基本的なマナーを守った上で、しっかりと感染症対策をしてほしいです」。

コロナの対策など今までと違う行動が必要となるため、「いつもよりも長めに時間を想定して、下山までの余裕をもって計画してください」。

休憩や昼食を取る際は「密」を意識し感染対策を

  • ワンポイントアドバイス 山では、必要なものは自分で用意して来るのが基本。アルコール消毒液や除菌用ウェットティッシュなどは、山小屋にはありません。トイレなど不特定多数の人が利用するものに触れるときなどは、自分で対策を。その際、感染予防をふまえた上でごみの持ち帰りを。

withコロナポイント!
マスクの着用やソーシャルディスタンスを保つなど、基本的な感染症対策のほか、山小屋が独自にルールを設けていることも。山小屋内ではスタッフの指示に従おう。体調の異常や発熱がある場合は、山小屋スタッフにすぐ相談しよう。

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【下山編】

「夕方5時までに下山できればいい」。こんな考えは危険。「山の中で暗くなってしまったら、山に慣れている自分たちでも怖い」と前述の村上組合長は警鐘を鳴らします。

事故は下山時に起こりやすい

「あとは下るだけだ!」。登頂後の下山時こそ要注意です。疲労や気の緩みで転倒・滑落が多くなります。また、迷っても沢付近には下りない。午後2時~4時は「魔の時間帯」と言われています。

  • ワンポイントアドバイス 表丹沢ルートなどの登山道が一部広がりつつあります。植物が生えていない地面や場所の「裸地化」を避けるためにも、登山道からはみ出して歩かないように注意しましょう。

登山後に寄りたい温泉施設や商店街のほか、特産品や観光情報などは、以下特設ページ「ハダ恋にぎわい商店街」をチェック!

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動画で復習

いかがでしたか?自然相手の登山。秦野は美しい山々が連なる人気のスポットですが、登山にはいつもリスクが伴うことを意識して楽しみましょう!

withコロナポイント!
今までの登山とは異なり、常に感染予防が必要であることを意識し、「うつさない、うつらない」ための「新しい登山スタイル」を心掛けよう。

思わず口ずさんでしまう昭和歌謡なメロディ!これはぜひチェックを。遭難への備えをアニメーションで解説。再生回数も上昇中!話題の遭難予防動画です。

今回紹介したレポート内容を動画でまとめました。秦野編として、登山仲間に拡散して事前準備に役立てよう!

秦野山旅ページ

問い合わせ

秦野市広報広聴課

電話

0463-82-5117

0463-82-5117

公開日:2020-07-31

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