川崎区境町の町名の公式な読み方が、きのう1日、「さかいまち」から「さかいちょう」に変わった。地元で慣れ親しんだ読み方になったことで、住民が長く感じていた違和感はようやく解消された。
地域住民が「さかいちょう」と読んでいた町名が実は「さかいまち」だった。電柱の街区表示板も信号機の地点案内標識のローマ字表記も「Sakaimachi」だ。
変更の決定をうけ、大場芳彦町会長は「ほかの町の人にしてみればたいしたことではないと思うが、とにかく良かった」と顔を和ませた。
大場会長によれば「日常生活には何の不便もない」が、新しく建った特養老人ホームの施設名やコンビニエンスストアの店名に「さかいまち」が使われることが続き、このままではまちに「侵食」されると危機感を覚えたという。
町会としてまず2016年10月に、信号の標識の表記変更を区の道路公園センターに要望したが、市の公式の読み方ということでかなわなかった。
そこで17年1月に「読み方」の変更を市に働きかけたが、当時は「読み方」を変更するためのルールが存在しなかった。18年5月に「町名変更の手続に関する事務取扱要領」が策定されたことで、「読み方」の変更が可能となった。
町会は18年11月から署名活動を行い、地域住民の4分の1以上にあたる約560筆を集め、12月に要望書と合わせて市に提出。今年6月の市議会で可決され、晴れて「さかいちょう」が公式な読み方となった。
街区表示板は8月中に、地点案内標識は遅くとも今年度内に付け替えられる予定だ。
市によれば同様に公式な読み方と通称が異なる町名は他にもあるが、変更の要望は特にないという。