幸区では、東京パラリンピックで日本選手がメダルをつかみ脚光を浴びた「ボッチャ」による交流の輪が広がっている。
11月に開催された「第2回幸区ボッチャ大会」は、幸区の町内会連合会と社会福祉協議会が連携し実行委員会を結成し、町ぐるみで実施した。当日は6歳から93歳まで64チーム192人が参加。老若男女が直径約8cmのボールの行方に一喜一憂していた。
ヨーロッパで生まれたボッチャは、重度脳性麻痺など重い障害のある人たちのために考案されたスポーツ。年齢や性別、障害の有無にかかわらずたくさんの人が親しめる。
幸区では健康づくりや多世代交流などを目的に、2年前から用具の貸出やスポーツセンター職員による出張体験指導などを行い普及に力を入れている。町内会・自治会でもじわじわとボッチャの人気が広がりつつある。
「パークシティ新川崎自治会」では、住民有志が2年前から毎月練習会を開催している。自治会でも取り組みをサポートしようと自治会費で競技道具を購入。「上達するのが楽しい」と参加者も多く、大会には3チームが出場した。竹林浄会長(68)は「スペースもとらず気軽にできる。自治会運営で大切なコミュニケーションの活性化に一役かっている」と話す。
町内会連合会では、ボッチャを通じた交流が、国連の持続可能な開発目標「SDGs」にある「住み続けられるまちづくりを」の実現につながると期待している。子どもとお年寄り、障害のある人など多世代間交流や一人ひとりの個性への理解を深め、地域住民で相互に支え合えるまちづくりに取り組んでいくという。