サッカー・フットサル「Y.S.C.C.」横浜市中区本牧で35年 地域と共に歩むクラブの歴史辿る

シェアする
2021シーズンに挑む選手とスタッフら

横浜市中区本牧をホームタウンに日本プロサッカー3部(J3)リーグ・フットサル1部(F1)リーグを戦うY.S.C.C(Yokohama Sports&Culture Club)は、2021年にクラブ創設35周年を迎えました。3月のJ3の新シーズン開幕を前に、クラブ創設者の1人である株式会社Y.S.C.C.の吉野次郎代表取締役社長にクラブの歩みなどについて話を聞きました。

吉野次郎代表取締役社長

【目次】

地域から世界へ

発足当初の集合写真

1986年「地域に根差した、子どもの健全育成」を目的として子どものサッカー教室をメインに、クラブを創設。創設の背景となったのは、当時社会問題となっていたいじめから子どもたちを救おうと、学校とは違った居場所となるサッカー教室を目指しました。ただ1番初めの生徒は2人だったといいます。

サッカーの認知度が徐々に上がっていく中、1993年にはJリーグが発足するとともに、会員数もピークに。この頃には子どもたちに限らず「スポーツを通して地域を元気づけ、健康なまちづくり」を目標としていて、現在の「地域はファミリー!」となる大枠ができていました。

サッカー人気が加熱していくとともに、近隣の教室も多くなっていきましたが、創設当初のクラブの思いを改めて胸に「他のスクールよりも良い指導を」とまい進していった結果、中区ひいては横浜市に自然と根付いていきました。

NPO法人化・総合型スポーツクラブに

創設当初は大学生だった吉野社長。「ただのサッカー好きのお兄ちゃんが、人とお金を集めて教室を開くということに地域の人たちが理解を示してくれるのか」という不安もあったといいますが、NPO法の成立を受けるとともに、横浜でW杯が行われた2002年をメモリアルイヤーとし、NPO法人化。

翌年には中高年を対象に、テニスやバスケット、バトミントンなどのさまざまなスポーツが気軽に出来る「ほほえみ教室」もスタート。2006年に総合型地域スポーツクラブとして認定を受けました。

横浜開港150周年であった2009年を節目には世界にも目を向け、開発途上国である海外の子どもたちにサッカー用品を寄贈するなど、Y.S.C.C.にとって国際交流のはじまりとなる年に。

2019年からはSDGsに改めて着目

それまでの活動でSDGs17項目すべてに取り組んでいた経験を生かしています。例えば簡易宿泊所の多い寿地区で健康講座を通し、健康改善や生活の自主自立を支援。

2021年の今年には、新型コロナウイルス感染拡大によって、生活に困窮したアフリカの人々を「スポーツの力」を通してサポートする「A-GOAL」プロジェクトに賛同しています。

サッカー・フットサルで挑戦続けるトップチーム

トップチームは1988年に神奈川県社会人サッカーリーグに参戦。トップチームを強くすることで「子どもたちに夢を与えられるクラブへ」と吉野社長を含め、選手たちはわずか2年で3部から1部へととステージを変えていきました。

その後、2003年に関東サッカーリーグへ昇格。県リーグ参戦から15年の年月を費やしました。

その頃に吉野社長は現役から退いていましたが「クラブとして一つ壁を超えた瞬間だった」と振り返ります。

8年後にアマチュアサッカーのトップリーグであるJFLへ。2014年にはJ3に参入。地域密着の活動を続けてきたクラブがJの大舞台に船出した瞬間でした。

7年目の挑戦となる今年は、どんな結果が待ち受けているのでしょうか。

一方、フットサルは現在F1リーグを戦っていますが、そのはじまりは2013年。神奈川県1部リーグで活動していた「ファンタース/ソールトラップ横浜」と合併し、2018年に関東リーグを飛び越えて、横浜初のフットサルの全国リーグである「Fリーグ」のチームに

F2からのスタートでしたが、昨年2020年にF1に昇格。1年目は残留を決め、2年目への挑戦となります。

地元で活躍するOB

Y.S.C.C.を巣立った卒業生の中には、横浜で活躍する人も多くいます。そんな多くのOBの中から、今回は1期生の横浜で活躍されている方2名にインタビューしてきました。

大村航介さん

大村さんは小学1年生の時に1期生として入りました。以来、高校3年生まで12年間在籍。高校ではキャプテンを務め、フォワードやトップ下など攻撃の主軸としてチームをけん引していました。

2年前に中区の山手駅前に「ビストロ グランヴィラージュ」(大和町2-50-7)を開店し、現在も経営を続けています。

「小学生の時はY.S.C.C.も始まったばかりで、こんなに大きなクラブになるとは思っていませんでした。当時培われた忍耐力は料理人としての厳しい修行時代にとても生きて、キツいと思ってからあと1歩の限界突破による成長を生み出してくれました。

また一緒にプレーした仲間は今でも繋がってますし、料理を通して地域に貢献したいと地元にお店を出したのも地域に密着したY.S.C.C.に所属していたからだと思います。今後も更に地元に愛され・期待されるクラブであってほしいですね」

小菅祐さん

小菅さんは小学2年生から高校2年生まで10年にわたって所属。小学生時代にはキャプテンを務め、フォワードとして攻撃の中心を担っていました。

当初は子どもと大人の部のみであったY.S.C.C.ですが、クラブチーム直属の下部組織であるユースチームの1期生でもあります。

磯子区の根岸駅前で「根岸接骨院」(磯子区西町11-8)を開業し、今年で10周年。過去にはY.S.C.C.にコーチやトレーナーとして携わったこともありました。

とにかく純粋にサッカーを楽しむという雰囲気に惹かれて、10年間とても楽しかったです。

ケガでサッカーから離れましたが、『同じような人たちに寄り添えれば』と柔道整復師の道に進みました。今ではY.S.C.C.のスクールに通っている患者の方を診ることもあり、この仕事を通してサッカー・Y.S.C.C.に少しでも恩返しできればと思います。

今後世界クラスのクラブを目指していると思いますので、その一歩としてJ2へ。着実に一つひとつ進んでいって欲しいです」

35周年という節目に際し、吉野社長は「今年はクラブの基盤を整え、内部的な強化とJ2昇格を目指したい。また2023年には選手全員とプロ契約を結びたいという野望もあります」と力強く話します。

今後については「Jリーグクラブとして常設の練習場所となるグラウンドや施設を確保するために行政や企業と連携していきたい」とし、

「もちろん目指すは日本、世界で1番のクラブでしょう」と笑顔を見せてくれました。

住所

神奈川県横浜市中区本牧埠頭3 U.S.S.インターナショナル内

ホームページ

外部HPリンク

公開日:2021-02-26

関連タグ