「離婚して、親にも頼れない。住むところどうしよう」「離婚前に別居をしなければならないが住むところがない」「小さい子を抱えてお金もない。アパート借りるのも初期費用さえ出せそうもない」―。そんな厳しい状況の中で住まい探しをしている人に、シングルマザーも住める女性専用シェアハウスという新しい住まい方を提供して喜ばれている不動産屋さんがあるのをご存じですか。それがここ、伊勢原市東大竹の「めぐみ不動産コンサルティング」です。
代表取締役、竹田恵子さんは、10年にわたる不動産売買の現場を経て2016年に独立、不動産の売買・賃貸・分譲はもちろん、前出のシングルマザーのシェアハウス、女性専用シェアハウス、ペットと暮らせるシェアハウスの空き家活用など、他にはない独自の視点で時代のニーズをつかんでいます。
- 「住まいは10人いたら10人の暮らし方があります。私たちは多種多様なご提案ができる住まいのコンサルタント会社として、住む人の暮らしが楽しくなるお手伝いをさせていただこうと頑張ってるんです」
と笑顔で語る竹田社長。確固としたポリシーの根底には、自身もシングルマザーとして子育てと仕事を両立させてきた経験が脈々と息づいているといいます。
インターネット全盛の時代に、相変わらずお客様と対面で話をしながら、住まいのことを考えるのが好きだというこの小さな不動産会社が、地元で大きな支持を受けているのはなぜなのか、その秘密をレポートしました。
目次
◆地域に密着した不動産情報に強み
◆困った時に頼れる同社、県指定「住宅確保要配慮者居住支援法人」
◆もう一人じゃない―「女性専用シェアハウス」に高い実績
◆相続や空き家、住まいの各種相談会も実施
地域に密着した不動産情報に強み
めぐみ不動産コンサルティングの店頭には、不動産情報と一緒に、農薬不使用の安全・安心の旬野菜がずらりと並んでいます。そして、これを目当てに来店される地元のお客様も少なくないとのこと。
不動産屋さんなのにどうして?と不思議がってると、「住まいに安心と笑顔を、心と身体に健康をお届けします、というのがわが社のポリシー。ここに来ていただくすべての皆さんに笑顔で元気になってほしいんです」
ここに100円の野菜を買いに来ながら「元気?とか料理の仕方とか、どこに行ってきたとか他愛もない話をしながら、ご近所の方の見守りも兼ねているんです」
「それに楽しいでしょ。近くにめぐみ農園と名付けた畑があって、普段は私の家族が作物を育てていてね。私もお休みの日は一日かかりっきりで作業したり、グループ会社やハウスに住む方たちと芋掘りなどをすることもあるんですよ」と満面笑顔の竹田社長。
- 「住まいに安心と笑顔を、心と身体に健康をお届けします、というのが我が社のポリシー。ここに来ていただく全ての皆さんに笑顔で元気になってほしいんです」。
「めぐみ通信」
同店では月に一度、自社の情報誌「めぐみ通信」を発行して、身近な不動産情報とともに、気になるスポットやお店の紹介、さらには旬の野菜の調理の仕方など、生活者目線で地元のディープな情報を発信しています。
- 「おかげ様で、地元に詳しい不動産屋だからってあれこれご相談いただいて。どこのスーパーが安いとか、どのお店が素敵だとか、そんなやり取りから始まって、必要であればお家のこと、賃貸のこと、ご希望にそえる住まいの形をじっくりとご提案していくのがめぐみスタイルになりました」。
不動産の購入は大きな買い物、賃貸も自分の生活スタイルに合わせて物件を選びたい、そんなお客様の気持ちに寄り添った提案をしたいと竹田社長。実はご自身もシングルマザーとして苦労してお子さんを育て上げ、誰にも頼れず生活のやりくりをしなくてはならない心細さが昔の自分の気持ちに重なるといいます。「だから特にあの頃の私と同じような思いを抱えている人にはどうしても肩入れしちゃって」。
困ったときに頼れる同社、県指定「住宅確保要配慮者居住支援法人」
あまり聞きなれない言葉ですが「住宅確保要配慮者居住支援法人」という制度があります。これは、高齢者や子どもを養育している人、所得の低い人、生活に困窮している人、DV被害者、被災された人、知的障害者や精神障害者といった、住む所に困らないよう特に配慮しなくてはならない人たちのために、入居相談や見守りなどの生活支援を行う法人を県が指定する制度です。
困った時に頼れる「めぐみ不動産コンサルタント」
めぐみ不動産コンサルティングは、神奈川県からこの支援法人に指定されました。なかなか住まいが見つからない人には、それぞれに複雑で困難な事情があることも少なくありません。そのため、入居を拒否されたり、意にそぐわない物件でも妥協して住まわざるを得ないケースも多いと言います。
- 「そんな方にこそご相談いただきたいんです。私はこんなところに住みたい、こんな生活がしたい、住まいへの希望や条件、本当の気持ちを聞いてほしい、遠慮なんかせず、その思いをぶつけてほしい」。
めぐみ不動産コンサルティングを通して、やっと安心の住まいを見つけられた、という高齢の方、障害のある方がいらっしゃいます。同社ではその方々の部屋へ定期的に見守りに訪れる、見守りプランもあるそうです。
- 「生活相談などに乗ることもあるんですよ。私たちも、伊勢原市内の様々な専門団体の方々と連携を取りながら、少しでも生活のお役に立てるよう親身になってお手伝いさせていただければと思ってます」
もう一人じゃない「女性専用シェアハウス」に高い実績
住まいの問題に、少しでもお役に立ちたい。その強い思いが確かな形となって多くの支持を集めている「女性専用シェアハウス」。
低家賃で住み続けられ、同じ境遇の女性たちと共同生活をしながら、自分らしいライフスタイルを貫くことができる、新しい住まい方の提案です。めぐみ不動産コンサルティングは、このシェアハウスに数多くの実績を上げてきました。
一人で悩まないでほしい
「私自身、約10年間シングルマザーとして子育てをしてきて、辛いとか苦しいとか、そんなふうに思うことは何度もありました。一人で子育てをしなくてはならないプレッシャーはいつもありましたね。そんな私を支えてくれたのが両親や友達でした。でも、シングルマザーとして子育てしている人の中には、近くに両親がいない、働きに出ているから友人に悩みを打ち明ける時間もない、だけど頑張っているという方が大勢いらっしゃるんじゃないかと思うんです」
そこで立ち上げたのが「シングルマザーシェアハウス」。竹田社長は「一人で悩まないでほしい。同じ思いを抱えながら、毎日頑張っていらっしゃるお母さんはたくさんいます」とエールを送ります。シェアハウスでは、お互いに協力し合いながら仕事のサポートをしたり、時には一緒に食卓を囲み、時には子どもが眠ったあと、大人同士の楽しい時間を過ごしたり…。「他愛もないけど大切な時を過ごしてもらう我が家になってほしい。もう一人じゃないよって伝えたいんです」
「体験入居」も用意
でも、シェアハウスで共同生活するなんて、自分にできるんだろうか―。そんな不安も当然出てくるでしょう。シェアハウスの暮らしってどんな感じ?もし合わなかったらどうしよう?子どもが他の方の迷惑になってしまうんじゃないかしら?そんな様々な不安を解消するために、同店では「体験入居」も用意しているそうです。
- 宿泊は1泊からOK。1週間~2週間の体験入居も可能。共用部分には家電なども揃っているので、寝具や身の回りの物を持参すればすぐに入居も可能だとのこと。
「私たちが運営するシェアハウスでは、一般賃貸物件とは違い、私たち運営者と入居者の方の関係性も大切です。同じ屋根の下で暮らす入居者も家族。私たちもその一員となれるような関係作りを心掛けていきます」。体験入居はいつでも歓迎。遠慮せず連絡をくださいねということでした。
相続や空き家、住まいの各種相談会も実施
めぐみ不動産コンサルティングに寄せられる住まいの困りごとの中には、今後の土地や建物をどうしようか。手放すのがいいか管理を続けていくべきか、アドバイスを欲しい。さらには、離婚することになり自宅を手放そうか悩んでいる、話を聞いてほしい、実家をそのまま引き継ぐべきか、そうしない方がいいのかなど、様々な相談事が寄せられるようになったといいます。
相続による空き家問題
最近では、相続の問題や空き家の問題が多く、ご両親が亡くなり実家を引き継いだものの遠隔地なので売却しようか迷っている。離婚した後は誰も住まなくなり空き家になってしまうのが悩みだ、などといった内容が増えているそうです。このように法律が絡む複雑な問題にも、同店では地域の専門家と連携し、スムーズにお答えできる体制をとっています。
<取材を終わって>
住まいに対するあらゆる課題に誠実に対応するめぐみ不動産コンサルティング。伊勢原の小さな不動産会社がその確固としたポリシーを持って、来店する人の大きな満足を引き出す的確な提案を出し続けられるのも納得です。「めぐみにお越しいただいた方、一人一人が笑顔になっていただけるようお話を伺い、暮らしが楽しくなるお手伝いをさせていただきます」。竹田社長の飛び切りの笑顔がとても輝いて見えます。