丹沢水系の伏流水を仕込水に使用し、厳選された酒米で清酒「残草蓬萊」を醸す、愛川町唯一の酒蔵「大矢孝酒造株式会社」。
創業は文政十三年創業(1830年)。香りに突出せず、綺麗な吟味と後味のキレの良さ。食事と共に楽しめる逸品として知られ、第93回南部杜氏自醸清酒鑑評会では最高位の首席に選ばれるなど、今や全国から注文が届く人気の地酒として注目されています。
「明日も飲みたいお酒」を、これからも
8代目蔵元の大矢俊介さんは、大矢家初代当主から数えて20代目。大学卒業当初は、機械メーカーで研究開発に携わっていましたが、先代が倒れたことで家業を継ぎました。
10月から始まる新酒の仕込みでは、酒造りの要である「もろみ」の成分分析を欠かしません。職人の勘に頼っていた技術を数値化し、より良いものを目指す。長年の伝統に研究者としての視点が加わり、「残草蓬莱」は更なる高みへと昇華すします。
伝統の技を受け継ぐ、若き精鋭たち
大矢孝酒造では、若い蔵人たちが一丸となって酒造りにあたっています。新酒の仕込みが始まると、早朝から蔵人たちの活気ある声が響きます。米を磨き、洗い、伏流水をたっぷりと吸わせる。蒸して、発酵させ、搾る。全ての工程において蔵人たちが手作業で進め、丁寧に心を込めた仕事は日本の伝統美を感じます。
仕込みは真剣に、でも、遊び心も忘れない
伝統の「残草蓬莱」は、純米大吟醸や特別純米などの定番商品に加え、独自テイストのバリエーションが豊富に存在します。
「辛口師匠勘弁してくださいよ」「ぬる燗番長」など、特徴が伝わりつつちょっと笑えるラベルや、若い女性でも楽しめるフルーティーで低アルコール度数の「Queeen」など、新しい挑戦にも取り組むのも、若き蔵人たちならでは
- 「『このお酒美味しいね。また明日も飲みたいね』そう思っていただけるお酒を、これからもお届けしたい」。歴史ある酒蔵の蔵元らしい柔和な笑み。若き蔵人たちの仕事に注目だ。