横浜市医師会・水野恭一会長に聞く 「新型コロナによる社会的影響」

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長引くコロナ禍、地域の医療現場の状況や、健康を保つ方法などを約4,100人の会員が所属する(一社)横浜市医師会の水野恭一会長に聞きました。

ワクチン接種などの新型コロナウイルス感染症対応で開業医にはどのような影響が出ていますか?

 「ワクチンを接種をするかしないかは各医院によって違います。私が院長を務める水野クリニックでは、接種を受け付けていますが、今回のワクチンに関しては、接種後、15~20分程度、院内に滞在して頂いて経過を見ないといけません。1時間に10人、20人でも打つことはできますが、院内のキャパシティもありますので、数は制限せざるを得ません。

 当クリニックでは、ワクチン接種を開始してから、これまで実施していた発熱センターからの受け入れを辞退しました。コロナウイルスの疑いのある患者さん、ワクチン接種希望者の両方の対応は難しいと判断したためです」

一般診療にも影響が出そうですね。

 「一般診療の患者さんの数は激減しました。当クリニックでは、日曜診察を行っていますが、日曜日の患者さんはコロナウイルス流行前の3分の1にまで落ち込んでいます。コロナウイルスを恐れて4カ月ほど来院しなかったある高齢者の患者さんが、ある日クリニックに担ぎ込まれ、衰弱状態で即入院させたという事例もありました。

 コロナウイルスが流行し始めてから、患者さんの検査をすると、中性脂肪や悪玉コレステロールが増加している人、肝機能が悪くなっている人などが多く見受けられます。これまであまり気付かなかったかもしれませんが、通勤通学には体力がいる。自宅待機、リモートなど運動不足の状態で、食べる量が全く同じだと、カロリーオーバーになってしまうんですね」

身体だけでなく、精神面の影響はどうでしょうか。

 「リモートなど家で仕事をすることによって家族と過ごす時間が多くなったとプラスの話も聞きますが、私自身の感覚としては、家庭の中でのちょっとしたいらだちが増えたという割合の方が多い気がします。

 また、子どもで困っているのは、外に出ることに対する恐怖心を感じている子が増えてしまっている。外出先でマスクがないとパニックになってしまった子がいたという話も聞きました。

 さらに、保育士がずっとマスクをしているからか、無表情の乳児が増えているとも感じます。感染を恐れることによる社会的影響が心配です」

取材に応える水野会長

コロナ禍で健康を維持するためにはどうしたらいいでしょうか。

 「規則正しい生活と、身体を動かすこと。この二つが一番大事です。家でだらだらしていては、身体にも精神面にもよくありません。コロナウイルスだけでなく、日常生活や、慢性疾患でもそうですが、心身の不調を相談できるかかりつけ医を作っておくことも大切です。また、コロナウイルスを恐れすぎてはいけません。適切な感染対策、そしてワクチン接種が進めば感染リスクは減っていきます」

ワクチン接種に関してはどうお考えですか?

 「私はコロナウイルスをおさえる方法はワクチン接種しかないと確信しています。外国の例を見ても、ロックダウンしてもだめだったが、ワクチン接種をしてコロナウイルスが収まってきている状況を見れば、やはり優先して進めていかなければいけません。

 メディアの影響か、すごく怖いワクチン接種のイメージがついているように感じます。打ったところが痛い、はれるというのは副反応に入りますが、反応が出た人の方が抗体の力が上がっているということですし、だいたいが2~3日以内で治ります。後遺症でずっと残るというのはほとんどありません。強いアレルギー反応であるアナフィラキシーショックが出る割合も、他のワクチンに比べて決して高いものではありません。恐れずに、打つことは自分を守るための権利、人にうつさないための義務だと思ってもらいたいです」

今後について、読者にメッセージをお願いします。

 「コロナウイルスを終息に近付けるためにも、まずは行政などと協力してワクチンの接種率を上げることに力を注いでいきます。そして、皆さんに伝えたいことは、受診を控えないでほしいということです。各医療機関はコロナウイルスの対策を徹底しています。そうでないと従業員を守れませんから。個人でできる感染対策はしっかりと行いながら、コロナウイルスを恐れすぎずに、生活して頂きたいと思います」

(取材日:2021年6月)

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公開日:2021-07-12

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