市内の高齢者が利用する厚木市鳶尾の通所介護事業所「サザンクラブ厚木北」が活気に溢れています。心身と脳の活性化を目的に音楽やダンス、習字、絵画などを応用したひと時を提供。「共通の趣味を通じて新しいお友達ができた」「夢中になり過ぎて1日があっという間に終わってしまう」など利用者から人気を集めています。
懐かしい音楽がくすぐる当時の感情
歌や楽器演奏を応用した音楽療法には、この日を心待ちにしていた多くの利用者が参加しました。
専門講師の丁寧なガイドに合わせて200インチの画面を見ながら昭和歌謡を歌ったり、音楽に合わせて太鼓やハンドベル、マラカスといった楽器の演奏を楽しみました。
- 音楽療法は、懐かしい音楽を聴いたり、歌ったりすることで記憶に眠っている感情に働きかける効果があるそうです。最初はメロディーを口ずさむ程度でしたが、思い思いに楽器や手拍子を鳴らするうちに熱を帯び、いつしか大合唱に。お腹から声を出したことで「心の底からスッキリした」など感想も。
フラダンスから習字、麻雀など多種多様
筋力トレーニングといった機能回復訓練に重きを置くデイサービスが主流のなかで、同事業所は「楽しいこと探しのお手伝いをします!」を掲げて開業しました。利用者の要望に応えるうちに音楽やダンスのほか、クイズやパズルをまとめた高齢者向けの脳トレプリントなど、自然と提供するサービスの幅を広げました。
- 女性の人気はフラダンスで、高齢者の安全を踏まえてイスに座った状態でも踊れる振り付けにアレンジ。専門講師による丁寧な指導のもと練習に励み、揃いの衣装で楽しんでいます。なお、男性には麻雀や花札などの勝負事が人気だそうです。
こだわりの家庭料理でひとやすみ
趣味に夢中なればお腹が空くのは当たり前。そんな時こそ栄養バランスの取れたこだわりの昼食でひとやすみ。利用者へ提供する料理は、瀬戸の器に「てづくり」と「できたて」がこだわり。家庭の味をメインに多彩なレパートリーで献立が組み立てられています。
- 小鉢一品にも季節感と彩りを盛りつけ、ホームページに写真が掲載されています。最初は「たくさん食べられない」と言っていた利用者も美味しさにつられてペロリとたいらげるとか。
母の暮らしぶりを見て異業種から参入。サザンクラブ厚木の設立へ
サザンクラブ厚木の設立は20年前。学習塾やカルチャースクールの経営をしていた立脇代表が独居だった実母の老後の暮らしぶりを見かねて、高齢者の介護に役立ちたいと異業種からの転身を決意したのがきっかけ。2002年7月に南町の自宅で開業しました。当時からサザンクラブを笑顔と活気に溢れた場所にしようと奮闘。利用者の声に耳を傾け、試行錯誤を繰り返しながらカルチャーに特化したデイサービスになったそうです。利用者ファーストの姿勢は、国内でわずか100台限定生産のトヨタクラシックで送迎する「お誕生日新サービス」にも表れています。