神奈川県の県央西部に位置する「秦野市」。雄大な表丹沢の山並みと豊かな自然に囲まれ、「おいしい水日本一」に選ばれた秦野名水が湧き出るまちです。そんな秦野市に魅力を感じ、移り住んできた人たちがいます。薪ストーブのあるログハウスに住み、趣味のDIYやガーデニングを楽しむ佐藤さん夫妻、キャンプとアウトドアライフを満喫するKさん夫妻、世代の違う2組に話を聞きました。
<目次>
◆横浜市から移住:景色に惚れて移住。趣味を楽しみつつゆったり暮らし
◆20代Kさん夫妻:お試し感覚で住める「ミライエ秦野」で秦野の良さを実感
◆はだの移住ガイド
景色に惚れて移住。趣味を楽しみつつゆったり暮らし
横浜市から移住/佐藤浩さん・博子さん夫妻
まず、お話を聞いたのは2018年に秦野市へ引っ越してきた佐藤浩さん・博子さん夫妻。現在は息子さんたちも一緒に暮らしています。
- 「ずっと一軒家に住みたいと思って探していたんだけど、なかなかいい物件が見つからなかったんだよね」。それまで住んでいたのは横浜市都筑区のマンション。浩さんは昔から釣りが趣味で、海釣り用のカヤックを持っているほど。しかし、マンションでは置くところもなく、ずっと別の場所に預かってもらっていたそうです。
物件探しの日々の中、ログハウスを手掛けるハウスメーカーの展示場に立ち寄った際に、浩さんは運命の出会いを果たしました。
……そう、趣味部屋として使えるログ小屋。
「家にこれを作りたい!」
自宅と一緒にログ小屋が建てられる土地を探し求める日々が始まりました。
夫婦でピンッときた自然あふれる菖蒲の土地
趣味のこともあり、はじめは海の近くを探していたという佐藤さん夫妻。しかし、家に設置する予定の薪ストーブのことを考えると、周辺の環境や金額面でなかなか折り合いがつかなかったそうです。
そんな時にハウスメーカーに紹介してもらったのが秦野市。売り出していた菖蒲の土地は”さと地共生住宅”の制度を利用して分譲をしていた場所で、駅からは離れており、地元のコミュニティバスのみが走る小高い場所でした。
「車もあるし、交通の不便さは気にならなかった」と浩さん。
- 現地に訪れ、目の前に広がる緑豊かな丹沢の山々と秦野盆地の街並み、天気のいい日は江ノ島や相模湾を望む景色を見て、夫婦で「ピンッ」ときてしまったそう。今後のライフスタイルを考え、秦野に移り住み念願の一軒家を建てることになりました。
東京の会社までの通勤も、最寄り駅までは博子さんに送ってもらうものの、一度電車に乗ったら「前と比べて意外と通勤時間は変わらない」のだとか。
家族で創り上げた夢が詰まった家
ログハウスの自宅は3LLDK。目の前の庭は、博子さんが手入れしています。
- 博子さんはガーデニングが趣味で、横浜にいた頃もマンションの緑化活動に参加していたのだそう。その時は自分の趣味をなかなか反映できませんでしたが、いまは思うまま。
引っ越してきた当初は何もなかった庭も、好きなハーブや草花を植え、思い通りの庭が完成。庭の一部を使って家庭菜園にも挑戦中です。
休日の浩さんは、念願のログ小屋で趣味に没頭……。
ログ小屋の入口にはカヤックの収納場所があったり、室内の天井には釣り竿をかけるフックもあります。
- こうした釣り竿のフックや棚は全て浩さんがつくったもの。実はこのログ小屋も息子さんと一緒に建てたというから驚きです。昔からDIYが好きだったそうで、今までマンション内でできなかったぶん、楽しんで手づくりしているそうです。
工具用品も「すごい増えちゃったね」と置いてある一角を見てしみじみ。「前の職場で定年のときにもらった退職祝いはチェーンソーだったんだよね」とにっこり笑顔の浩さん。まさかのお祝い品に、記者は思わず「チェーンソー!?」と聞き返してしまいました(笑)
そのチェーンソーは薪ストーブ用の木の切り出しで大活躍中。
冬には2トンほどの木材を使うそうですが、ご近所付き合いの中で木の伐採を頼まれたり、間伐材をもらったりしているのだとか。薪ストーブは暖房効果が高く、体の芯までぽかぽかするそうです。
「ご近所付き合いと言えば、近くで畑をやっている皆さんから、野菜を良くいただいています」と博子さん。肉や魚を買ってくるだけで間に合ってしまうほど。「1品増えてありがたい」と話します。
- 博子さんによると、「前に住んでいたところは近くにお店があったけど、立体駐車場からの車の出し入れに時間がかかったり、道が混んでいたりしたので自転車や歩きで行っていて、荷物を運ぶのが大変でした。こっちにきてからは自宅の近くにスーパーがないので車で買物へ行っていますが、車を家の玄関近くに停めて荷物を運べるので、それが意外と便利で楽なんです」とのこと。
なるほど、そのメリットは盲点!
車が必要ですが、実際に住んでみて初めてわかる「便利さ」なのかもしれません。
最後に、移住を考えている人に一言をお願いすると、浩さんは「水がおいしい」ときっぱり。
- 菖蒲地区は、丹沢が育んだ秦野盆地の地下水をくみ上げた水が水道水として飲めるので「いつも冷たいし、はじめはウォーターサーバーを設置しようと思ってたけど、水道水を飲んでみて『いらないや』って」と太鼓判を押してくれました。「ここは景色も最高だし、周りもみんないい人で、外からきた自分たちも受け入れてくれました」。
”したかったこと”ができる我が家……心を豊かにする生活がここ秦野にありました。
2.お試し感覚で住める「ミライエ秦野」で秦野の良さを実感
定住化促進住宅へ転居/20代Kさん夫妻
続いて訪ねたのは20代のKさん夫妻。「顔出しは恥ずかしい…」とのことなので、写真では後ろ姿だけご紹介しつつ、お話はしっかり聞いてきました。
秦野市内で家を購入すると最大60万円の住宅購入助成
Kさん夫妻が住んでいるのは秦野市が運営する定住化促進住宅「ミライエ秦野」。若者夫婦・子育て夫婦(市外在住者優先)を対象とした、入居年数最長5年のお試し住宅です。
- ご主人は秦野市に住んでいましたが、奥様は伊勢原市。良く遊びにきていた秦野市カルチャーパークの前に立っている「ミライエ秦野」のことは知っていたそうで、結婚の際に新居を探すなかで、どういう住宅なのかを聞いたそうです。
「担当していただいた職員さんの人柄も良く、制度も魅力的で、その場で入居を決めました」とご主人。
実はこの住宅、秦野市内の住宅を購入して退去した場合、最大60万円(入居月×1万円)の住宅購入助成金が出るんです。暮らしながらその土地の良さを知っていく”お試し”としては最高の物件です。
- ご主人は目の前にカルチャーパークがある立地の良さに大満足。路線バスも10分おきに来るので時刻表を見ることなく利用できるとか。奥様は「徒歩圏内にスーパーやコンビニ、休日診療所など子育て世代に安心の施設がたくさんある」ことに魅力を感じているそうです。
モダンでスタイリッシュな部屋デザインも魅力
住宅の部屋は4タイプあり、コンクリート打ちっ放し仕上げやステンレスキッチンなどのデザインもお気に入り。
1部屋あたりおよそ40㎡ですが、アレンジしやすい間取りやエアコンなどの設備もしっかり揃っていて、暮らしやすい環境となっていました。
生活ニーズにあった暮らしができるまち、秦野
- Kさん夫妻の趣味はキャンプなどのアウトドア。丹沢山系に囲まれ、山岳アクティビティも豊富な秦野市はまさにうってつけ。休日は丹沢山地などで自然を満喫し、心身ともにリフレッシュしているそうです。
「便利な暮らしがしたければ中心部に、田舎暮らしをしたければ周辺部に、と多様な生活ニーズに合うまちだと感じています」とご主人。
都会と自然が融合した住みやすいまちだと感じているのだとか。
最後に、移住を考えている同年代のご夫婦へアドバイスをお願いしました。
「移住というのは人生の大決断ですが、このミライエ秦野はお試し感覚で住めて、入居やその後の定住のための費用補助が充実しているので、私たちのような世代には最適だと思います」
確かに「住んでみて初めてわかる」ということも多いと思います。そんな中で、実際に住んでまちの魅力を体感しながら、どんな暮らしがしたいのか、どんな新居にしたいのかをじっくり考え、選べるのはとてもいいですね。
市外から来た奥様も「秦野市の良さを実感したので、自然豊かな土地でのんびり暮らしたいです」と話してくれました。
インタビュー後記
2組の移住者へのインタビュー、いかがでしたか?秦野市では、若者夫婦や子育て夫婦向けの定住化促進住宅「ミライエ秦野」だけでなく、幅広い世代に向けて2021年秋から田舎暮らしを体験できる「移住お試し住宅」もスタートするそうです。
興味を持った方は、秦野市に問い合わせてみてくださいね。