この情報は2021年取材時のものです。
演奏家や作曲家、指導者など音楽の道を目指すなら、より早い段階から専門的な知識と技術を身につけ、同世代の一歩先を進みたいですよね。音楽科がある高校は珍しくないですが、国内でも数少ない「中学校の音楽専門コース」が北鎌倉女子学園(通称キタカマ)にあると聞き、先生や生徒さんにその専門性や魅力を取材しました。
<目次>
1.中学から専門的に学ぶことの重要性
2.充実した音楽環境
3.充実した設備と環境
4.生徒さんが語るキタカマの魅力
5.説明会・相談会はこちらへ
1.中学から専門的に学ぶことの重要性
「演奏に関しては楽器によって始めるのに適したタイミングが異なりますが、いわゆる音感教育は早いに越したことはありません。音の響きや和音構成の感じ方など、良い感覚を身につけることが演奏技術や表現にもつながっていきます」と話すのは、音楽科主任の浦畑裕一先生。
- 知識に関しては「1段階先取りで学ぶことができるので、中学で一般的な高校レベル、高校では中学の内容を復習をしながら、さらに上の段階に進みます」とのこと。中には中学3年生で大学入試レベルの知識に到達する生徒さんもいるのだとか!
2.充実した音楽環境
キタカマでは、1年次から専門と副科の実技レッスン、聴音を2コマずつ学び、2年次にソルフェージュ、3年次に楽典が各1コマ追加されます。専任教諭やプロのレッスンが日々受けられ、音楽分野の基礎からしっかりと学べる環境が整っているんですね。
音楽コースに設けられている専攻の種類は
- ピアノ
- 声楽
- 弦楽器
- 管楽器
- 打楽器
- 音楽総合(専攻が未決定の人向け)
の6つ。高校に進むと作曲も追加されます。
実技を担当する先生は、キタカマ専任の先生はもちろん、外部からも指導者やプロの演奏家を招いて、1人ひとりのレベルや個性などを見極めながら、分かりやすく丁寧に指導してくれます。
実技試験やクラスコンサート、成績優秀者による定期演奏会など人前で演奏する機会も多いのもキタカマのよいところ。友人の前での演奏は舞台経験もつきますし、「出演者に選ばれたい」とモチベーションも上がるそうです。
- 他の人とアンサンブルを組んだり、地域の施設などで出張演奏会を開いたり、授業以外でも演奏の機会があるそうです。※コロナ禍の現在は休止中
「コロナ禍でできることは制限されていますが、その中でできる限りの『音楽体験』をさせてあげたいと奮闘しています。アンサンブルや合唱はできない状況ですが、先日は密を避けてクラスコンサートを開催しました。生徒たちはもちろんやる気がアップしたと思いますし、聴きに来られた保護者の皆さんもとても喜んでいらっしゃいました」
- 中学1年生で週2コマ、3年生で週4コマとなると3年間での学びの時間はかなりのものになるはず。放課後や休日の自主練習やレッスンをするとしても専門的な学校で日常的に学ぶのと一般の学校に通いながら個人レッスンで学ぶのとでは、確かに大きな差がうまれそうですね。
3.充実した設備と環境
また、校内を見学して驚いたのはレッスン室や練習室、ホールの充実ぶり。聞けば小規模大学レベルの設備を備えているそうです。練習室は予約不要で空きがあればいつでも利用可能です。
楽器はピアノだけで約50台あるそうですが、「楽器のコンディションにはかなり気を付けています。担当の調律師さんからは最高レベルの環境との声もいただきました」と浦畑先生。
4.生徒さんが語るキタカマの魅力
先生や先輩からの「授業以外」の学び
「中学から勉強だけでなく音楽に集中したい」とキタカマを選んだピアノ専攻の生徒さん。入学してよかったと感じたのは、専門的な授業だけではなかったそうです。
クラスメイトはもちろん音楽好きばかり。「あの作曲家が…」「この曲がね」と専門的な音楽の話で盛り上がるのも音楽コースならでは。また、先生や先輩からは音大受験やプロになるまでの道のり、仕事の話を聞くこともできます。
- 技術だけでなく、心構えや音楽の世界のことも知ることができるのは嬉しいですね。
先生・生徒間の親しみやすい雰囲気
取材で出会ったハープ専攻の生徒さんは、ご親戚のお宅でハープの音色に惹かれ、小学生3年生の頃からレッスンに通い始めたそうです。お姉さんもキタカマの卒業生でピアノ専攻。授業の専門性だけでなく、先生やお友達との雰囲気がよかったと聞き、安心して入学を決めたとのこと。
声楽専攻の生徒さんも、文化祭の見学に参加した際、先輩や先生の雰囲気がよかったのが印象的だったのだとか。実際に入学してからも、職員室には誰でも気軽に入ることができ、質問や相談がしやすく「先生との距離がとても近い」と感じているそうです。
キタカマならではの礼法の授業
「お辞儀や靴の脱ぎ方などを学ぶ『礼法の授業』もキタカマらしい魅力ある授業です」と生徒さん。美しい心や品性、教養も学べるんですね。これらも「伝わる音楽」に必要なのだとか。
コロナ禍でのオンライン授業
コロナ禍でも早期にオンライン授業に切り替えていたキタカマ。生徒さんも「入学してすぐにオンライン授業になりましたが、スムーズに授業が進められて安心できました。画面越しでしたが、クラスメイトと楽しく話せたのもよかったです」と話していました。
実技に関してもオンラインでレッスンをしていたそうです。実技担当の先生は「機器を通しているので、音の響きなどは実際のものとは違いますが、担当する生徒さんの癖なども分かっていますし、オンラインでも指導できる部分は少なくありませんでした」と話します。
- 授業だけでなく、実技もというのは驚きです!オンラインでもみてもらえるというのは心強いですね。
5.説明会・相談会はこちらへ
キタカマでは、学校見学や体験レッスンができる個別相談会や予約制の夏の受験講習会などを開催しています。まずは一度訪れてみては。