茅ヶ崎市十間坂在住 滝田 裕也(たきた・ゆうや)さん 麻理子(まりこ)さん
埼玉県出身の裕也さんと、秋田県出身の麻理子さん、娘の紬(つむぎ)ちゃん、ヨークシャーテリアの凛(りん)ちゃんの4人家族。横浜で暮らした後、2018年6月に茅ヶ崎へ転居。自宅で「はりきゅう整体サロン 温和」をオープンし、夫婦で経営。
お客様の7割が妊婦の方。産後ケアにも力を入れ、地域のママや子育て世代をサポート
茅ヶ崎を東西に走る国道1号の北側にある静かな住宅地に一歩入ると見えてくる、可愛らしい看板。その先に、滝田さん夫妻が経営する「はりきゅう整体サロン 温和」があります。取材に訪れると、お二人がそろって温かい笑顔で迎えてくれました。
ご夫婦ともに鍼灸師で、裕也さんは柔道整復師の資格も保有。「温和」では、それぞれの得意なことや経験を生かした施術を行います。
「以前は都内の整形外科や横浜の鍼灸整骨院に勤務していたのですが、その中で日常的に起こる体の不調で悩む方々の助けになりたいと考えるようになりました。慢性的な腰痛や肩こりなどを和らげる治療を行い、地域の皆さんの健康づくりをサポートしたいと考えています」(裕也さん)
「私はマタニティの方のお手伝いをしたいと思い、都内の産婦人科に勤めていたことがありました。今は、サロンを訪れてくださるお客様の7割が妊婦の方ですね。産後も来てくださる方がいらっしゃるので、産後ケアにも力を入れています。地域のママや子育て世代のサポートをしていきたいと思っています」(麻理子さん)
お客様一人ひとりに寄り添えるよう、サロンは完全予約制。他にもハーブティーを提供するなど、リラックスできる空間を作れるように工夫しています。「静かな個室で、落ち着いた気持ちで施術を受けていただき、地域の皆さんの身体や心を癒す場所になっていけるとうれしいです」(裕也さん・麻理子さん)
初めて来た時に「ピンときた」まちの雰囲気
地域で愛されるサロンを目指す滝田さんご夫妻。そんなお二人に茅ヶ崎に来たきっかけを聞いてみると、「“海なし県”で生まれ育ったこともあって、海に憧れがあったんです」と裕也さん。
「茅ヶ崎に来る前は横浜に住んでいたのですが、その頃から二人で湘南にはちょくちょく遊びに来ていました。バイクで鎌倉や辻堂まで足を運んでいたのですが、実は茅ヶ崎には一度も行ったことがありませんでした」
茅ヶ崎を初めて訪れたのは、住宅の購入を考え始めた時でした。「婚約をして、入籍前に家を建てようということになりまして。初めから自宅でサロンを開きたいと考えていたんですが、店をどこに開くかというより、住む場所としてどうかという点を重視して土地を探していました。その中で茅ヶ崎がピンときたというか、とても気に入ったんです。当時すでに妻が妊娠していて、子育てのことを強く意識していましたが、おだやかで落ち着きのあるまちの雰囲気が子どもを育てていく環境としてもすごく良いなと感じました」(裕也さん)
住み始めて感じた、人と人との距離の近さと温かさ
「横浜ほどではないにしろ、私たちの中で茅ヶ崎はまだまだ都会のまちのイメージが強くて心配していたんですが、実際にはそうでもなくて、住民同士の距離が近いと感じました。サロンを開業した時も、まず近所の方が訪れてくれて、その方がお知り合いに口コミで広げてくれたんです。おかげで、今では海側や辻堂など、少し距離のあるところに暮らす方もサロンに訪れてくださいます」(裕也さん・麻理子さん)
見知らぬ土地で、ましてや知り合いも全くいない中で開業して感じた、「本当にお客様が来てくれるのか?」という底知れぬ不安。そんな中で、近所の方がサロンを訪れ、地域ぐるみでお店を応援してくれたことは、お二人にとって心強かったに違いありません。
茅ヶ崎の海で過ごす、贅沢な時間
定休日を設けずにサロンを開きながら、同時にお子さんとの時間も大切にするお二人。家族で出かける場所を伺うと、「やっぱり、海ですね。予約が入らなかった時間にサザンビーチあたりまで散歩しています。マリンスポーツはやらないんですが、ぼーっと海を見ているだけでも幸せで、気持ちがリセットできます。おにぎりを持って行ってピクニックを楽しむこともありますね」(裕也さん)
何かとせわしない毎日の中で、何もせずただ海を眺めて過ごす贅沢な時間。茅ヶ崎の海はおだやかに、そして確実に滝田さんの生活の中に息づき、一つの拠り所となっています。
滝田家流 茅ヶ崎のお出かけスポット。中央公園、里山公園、スーパー イヌヰ
茅ヶ崎は、東海道線の北側と南側でまちなみが違う感じがするそうです。
「自宅のある北側は地元の方が営むお店などが多いイメージ。お店に行くと店主さんが娘に声をかけてくれます。ちょうど今、娘がレシートを欲しがる年頃なんですが(笑)、そういうことにも温かく応じてくれます。南側にはおしゃれなカフェなどがあって、子育てでイライラした時に一息つける場所があります。ママに優しいまちだなと感じますね」(麻理子さん)
ご近所のお出かけスポットもお話してくれました。「よく行くのは中央公園ですね。あと最近、里山公園を発見しました。残念ながら自宅のまわりには遊具のある公園が少ないんですが、ここには遊具があるし自然にも囲まれていて、娘ものびのびと遊べるので、すごく良い公園だなと思います」(麻理子さん)
普段よく買い物に行くのは、南湖にあるスーパー「イヌヰ」。「品揃えが豊富で値段も安く、何より自家製パンがとても美味しいです。コロナ禍の今では人が多く集まる大型の商業施設に子どもを連れて行くのも気が引けるので、家の近所にこういった個人商店があるのはとても助かっています。自宅から「イヌヰ」に行く途中に東海道線の踏切があって、電車を見るのが好きな娘と道中楽しみながら買い物に行けるのもうれしいですね」(裕也さん)
何気ない日常にある幸せを感じながら、家族全員で茅ヶ崎暮らしを楽しんでいるようです。
子どもの成長を見守りながら、健康づくりの力になりたい
最後に、今後茅ヶ崎でやっていきたいことをお二人に聞いてみました。
「新たにお店を出したいとか、そういうことは考えていなくて、今の形をずっと続けていきたい。娘の成長を間近で見ながら、自宅で仕事をできるのはとても恵まれていると感じます。今は子育てとのバランスで仕事を少し抑えているところもあるので、娘が少し大きくなって夫婦ともに手が回るようになったら、本格的に仕事のほうにもシフトしていきたい」(裕也さん)
「自分が実際に子育てをしている中で改めて気づいたことがたくさんあるので、その経験をお客様への施術やコミュニケーションにも生かしていけたらいいなと思います。自宅で仕事ができると娘との時間も取りやすいので、私も今の形でサロンを続けていきたいです」(麻理子さん)
終始和やかにインタビューに応じてくださった滝田さんご夫妻。
地域に根ざし、健康づくりの助けになりたい思いで開いたサロン「温和」では、施術もさることながら、お二人の人柄に癒されているお客様も多いのではないかと感じた今回の取材でした。
information
■はりきゅう整体サロン 温和 https://onwa-salon.com/
■中央公園(第一カッターきいろ公園)
https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/kouen/1006491/1006500.html
■茅ケ崎里山公園 http://www.kanagawa-park.or.jp/satoyama/
■スーパーイヌヰ https://inui-super.com/