「こころ」と「からだ」と「歯」の診断・治療のための総合医療センターである「うしおだ診療所」。
前身は約70年前に創設された汐田診療所(のちの汐田総合病院)。患者に寄り添いながら地域医療に尽力し「健康まつり」や「食料支援&何でも相談会」を定期的に開催。地域住民の健康増進や公衆衛生、福祉にも貢献しています。
「誰も置き去りにしない」コロナ対応に尽力
コロナ対応では、抗原、PCR検査を行う「発熱外来」を開設。
診療所の裏口と、相談室として使っていた部屋を発熱外来専用にすることで導線を変え、ゾーニングを徹底。高性能の空気清浄機も設置しています。
ワクチン接種は寝たきりなどで外出の難しい往診の方から始め、今はかかりつけ外来患者さんにまで拡大。1日約30人を受け入れ、区内全域から接種希望者が来ます。
- 同診療所が掲げるのは「誰も置き去りにしない医療」。できるだけ断らず多くの人を診療できるようスタッフ一丸となって対応しています。
受診控えが影響
内科を担当する渡部琢也副所長は、コロナ禍のこの一年で「がんの発見が数多く認められた」と話します。コロナを疑い、胸部CTを撮影した結果、肺がんや胃がん、食道がんが判明した事例が多くあったそうです。
渡部琢也副所長:東京薬科大学生命科学部・心血管医科学研究室の教授、昭和大学医学部・内科学講座(糖尿病・代謝・内分泌部門)の客員教授を経て2019年に現職
- 「コロナを恐れるあまり健診や受診控えなどが引き起こした弊害だと考えられます。健診などを後回しにしている人が多いと感じます。診療所では感染に対する安全対策に努めているので気軽に訪れてください」と渡部副所長は呼びかけます。
地域に根付いた包括的医療を展開
同診療所では、総合外来診療(内科、外科、精神科、皮膚科、整形外科、脳外科、眼科、泌尿器科、歯科)はもちろん訪問診療(医科・歯科)、健康診断、精神科・重度認知症患者デイケア、通所リハビリにも力を入れ、地域に根付いた包括的医療を展開しています。
レントゲン、CT、エコー、心電図、採血、動脈硬化や認知症の検査が可能で、精密検査や入院加療が必要な場合は汐田総合病院との密な連携で対応。高血圧や糖尿病などの生活習慣病、歯科、脳卒中、認知症、メンタルケアの専門家等、層の厚い人材が揃っています。
(取材日:2021年6月)