障害者への生活介護事業
相模原市内で「人材育成」「障害者理解」「地域貢献」を重んじ、障害者への生活介護事業などを行っているのが『社会福祉法人アトリエ』です。同法人は中央区相生の事業所のほか、市内各所に事業所を設けています。また、利用者の「できること」「やりたいこと」を見つけ、取り組める出張所を設けています。
始まりは「植物園カフェ」
最初の出張所は県立相模原公園(相模原市南区下溝)の大温室内で市民の憩いの場となっている、通称「植物園カフェ」です。今は無くなってしまいましたが、店長を務めたのが知的障害者の田口恵美さんです。コーヒーのドリップを担当したのが、宮田貴文さんと里村雄治さんで、公園に訪れる市民の接客をしたり出張をしたり好評を博しました。
「西門第三図工室」誕生
カフェの閉鎖と重なるようにできたのが、「西門第三図工室」(相模原市中央区相模原)です。相模原市役所から国道16号線をはさんで向かいにある西門商店街内のグリーバザールに2019年10月に開所しました。室長を務めるのは利用者のみんなから「たけちゃん」の愛称で親しまれている齊藤健志さんです。
元歯科技工士の齊藤さんは技工士として多忙な日々を過ごし、脳出血を患い体に麻痺が残りました。歯科技工士の職はあきらめましたが、美大進出を断念した過去を思い出し、「ものづくりに携わりたい」という希望を持つようになりました。その思いに応えるように同法人が図工室を開所しました。室内は木材の温かみを感じられるようにリノベーションし、陶芸の窯や3Dプリンターが置いてあります。
室長はもちろん、利用者にとっても居心地が良い空間になりました。利用者は絵を描いたり、作品を作ったりしています。3Dプリンターでフェイスシールドを制作したこともありました。
土偶や土偶をモチーフにしたペン立て、食器、陶板のほか、利用者が描いたポストカードなどを販売する「西門プチプチ陶器市」を開催したり、室長や利用者からあふれ出すアイデアが採用されています。
「はしもとアントルポビジュツ室」が相模原市緑区に
2020年9月には、相模原市緑区橋本に「はしもとアントルポビジュツ室」を開所しました。そこで活動している高橋宏支さんは、全国で展開されている絵画コンテストで優秀賞を受賞しました。
描いた絵画は「西門第三図工室」にあった木彫りのゾウを見てイメージを膨らませ描いた『このゾウはいいぞう』です。青色のゾウが鮮やかに描かれており、審査員からは「癒される」「雰囲気が良い」などの講評を得ました。
受賞した高橋さんは「うれしい。事業所のみんなも一緒によろこんでくれた」と感想を話しました。
同法人では
- 「西門第三図工室」(042-711-8019/10:00~15:00)
- 「はしもとアントルポビジュツ室」(042-703-3480/10:00~15:00)
の利用者を随時募集しています。定員が決まっているので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。