横浜市磯子区「マイスター横浜」の美味しさの秘密に迫る!鎌倉ハムの益田直蔵氏の製法を継ぐ!?【加藤牛肉店】

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山形牛の伝道師・加藤敦さんが営む「加藤牛肉店」(横浜市金沢区富岡西)のハムやソーセージは、店舗ではもちろん、ギフトセットやお取り寄せの通販サイトでも高い人気を誇っています。

「肉の味が凝縮されている」「今まで食べていたハムは何だったんだ!」など購入者の驚きのコメントが寄せられていようです。そんな加藤牛肉店のハムやソーセージを手がける工房が、磯子区田中にある「マイスター横浜」

磯子区田中にあるハム・ソーセージ工房。工房では販売していませんので、ご注意ください。

今や入手困難となったプレミア感満載の「手ほぐしコンビーフ」や定番の「手巻きロースハム」などを、職人が手作業で丁寧に作り上げています。

  • 有名レストランやホテルなどにも多数卸している実績からも、その味の確かさがうかがえます。

加藤社長から「実はうち、カーチスさんから製造を学び、日本人で初めてハムを作ったといわれる益田直蔵さんの鎌倉ハムの流れをくんでいるんだよね」と聞いた記者は、その真相を確かめるべく、鎌倉ハムの歴史を紐解き「マイスター横浜」のルーツを探りました!

<コンテンツ>
●鎌倉ハムの歴史を紐解く
●石井商会からマイスター横浜へ
●マイスター横浜の職人技とこだわり
●購入はこちらから

鎌倉ハムの歴史を紐解く

前述の「カーチスさん」とは日本にハム製造の技術をもたらしたというウィリアム・カーチス氏

外国人向けのホテル(白馬亭)を経営していたカーチス氏は、ハム漬け込みの技術を持っていたので滞日外国人に出すためのハムを自家製造していました。その利益が多いのを知った人々はその製法を知ろうとしましたが、カーチス氏はなかなか他人に教えようとはしなかったようです。(参考文献/郷土よこはま六九号、鎌倉ハムの起源について)

製造を学びたいと思っていた人の一人が、益田直蔵氏でした。白馬亭のあった鎌倉市川上村柏尾町(現横浜市戸塚区)に今も住む直蔵氏のひ孫の勇さんを訪ねました。

資料を説明する益田さん

カーチス氏と直蔵氏

勇さんはハム製造には関係のないお仕事をされていたそうですが、昔の新聞や写真などの資料を見せていただくことができました。鎌倉ハムの起源は諸説あり年代の食い違いも見られますが、ここでは直蔵さんの自伝ともいえる「鎌倉ハムに関する履歴」をもとに紹介します。

直蔵氏は車夫としてカーチス氏が経営する白馬亭で働いていました。カーチス氏はハムの製法を他人には教えようとせず、直蔵氏は自ら学び取ったようです。自伝では「五・六年非常な辛惨をなめて漸くこれを知ることを得たり」とあります。
辛惨の内容は詳しく記されていませんが、言うに言われぬ苦労を重ねたのでしょう。直蔵氏の姉クニさんがカーチス氏の愛人になったことも、直蔵氏としては複雑な思いだったのかもしれません。
そんな中、白馬亭が火災で全焼してしまいます。カーチス氏は香港経由でイギリスへ帰国。一緒に香港まで行ったクニさんは、一人で日本へ帰ってきます。勇さんは、クニさんが持って帰ってきた、香港で撮影したカーチス氏の写真を今も所蔵しています。
 

ハム製造工場を建設

カーチス氏が日本を去った後、直蔵氏はついにハムを作り始めます。前出の「鎌倉ハムの起源について」では、明治12年に直蔵氏は鎌倉郡川上村柏尾町にハム製造工場を建設したとあります。いつから正式に益田商会となったかは不明です。発祥地から「鎌倉ハム」と名付けました。その後、斉藤商会、富岡商会、岡部商会の前身の藤岡商会がそれぞれ創業。後年、鎌倉四家といわれました。

「鎌倉ハムに関する履歴」によれば、

「明治二十六年の頃付近に之が製造販売を開始するもの続出するに至りたれば商品の信用を保持し営業上の不正なる競争を防止せんが為めに鎌倉ハム商標の登録を請ひしが商標の方法適せざりしを以て遂に某保護を受る能わず~」

と書かれています。

直蔵氏の「鎌倉ハムに関する履歴」

なぜ商標登録ができなかったのかは記されてませんが、ハムを製造販売し、鎌倉ハムを名乗る業者が続出したことがうかがえます。

その後、直蔵氏の製法は、鎌倉ハム石井商会に引き継がれました。同社のホームページには「大正10年に益田直蔵氏よりその商号と製法を正式に受け継ぎました」と書かれています。クヌギやナラ材をつかっていぶす製法は、コストはかかりましたが根強い人気があったようです。

石井商会からマイスター横浜へ

前置きが長くなりました。

そんな鎌倉ハム石井商会に15歳から約45年間勤めていた職人さんが、現在マイスター横浜の加藤社長にハム製造を伝授した菊池幸男さんです。

1997年、当時石井商会の工場長だった菊池さんは、加藤社長に「うちの店でハムを作ってほしい」と依頼されます。おりしも石井商会の業務縮小が計画されていた時。

「石井商会では昔と同じ製法では作れない…」と感じた菊池さんは加藤社長と一緒にハムを作ることに決めたのです。

マイスター横浜の職人技とこだわり

日本でも数人しかいないという職人技をみせていただきました!

均等に力をかけて紐をまいていく菊池さん

豚のもも肉1本分を使うボンレスハムの成形は、見た目以上に技術が必要とされる職人技。紐の締め方、力加減で形が決まるので、加藤社長いわく「こんな大きなハムをまける人は日本にそんなにいない」とか。均等に力をかけないと、きれいな円柱形にならないそうです。

スーパーで扱っているハムは、肉に増量剤を加え機械で押し出す方法が主流。「うちのは全部肉ですし、手巻きなので、味はもちろん食感も全然違います」と加藤社長。実際に食べてみましたが、肉っぽい食感と旨味で私が知っているハムとは別格の美味しさでした!

菊池さんも「最初は、こんなにいい肉を使ってハムを作るのかとびっくりしました」と当時の驚きを語ってくれました。

ロースハムももちろん、一本一本手巻き

肉を成形したあとは炭で乾燥させ、その後、燻製に。太いハムはヤマザクラのチップを、ソーセージなど小さいものは香りが柔らかくなるリンゴのチップを使います。

(左)チップも特注品だとか (右)乾燥させ、燻製に

燻製の後はボイルをして水槽で冷やして翌日に完成します。

  • マイスター横浜ではハムのほか、名物の手ほぐしコンビーフやソーセージ、ベーコン、生ハムなどを製造しています。どれも、味のためなら手間ひまを惜しまず、作られています。

マイスター横浜で作った製品は、金沢区富岡西にある加藤牛肉店や通販サイトで購入できます。自宅用だけでなく、贈答品としてもおすすめです!

通販サイトはコチラ

住所

神奈川県横浜市金沢区富岡西7-5-21

電話

045-772-3383

045-772-3383

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公開日:2021-09-17

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