突然訪れる大切な故人との別れ…いざという時の供養の方法について、どんな種類があるのか、知っていますでしょうか?いつかは来る別れのはずなのに、いざその立場にならないと、なかなか調べたりはできないもの。
生前のうちから自ら準備する「終活」という言葉が浸透してきた昨今。時代や個人のニーズに合わせてさまざまな供養の形を提供しているのが、横浜市鶴見区にある曹洞宗潮田山光永寺です。
- 今回、取材したのは、従来の墓地とは違う、〝小さなお墓たち〟。維持管理も手間が少なく、後継ぎの心配も少ないのが特徴です。
【光華廟】「廟(びょう)」という考え方
寺歴450年以上の由緒を誇る潮田山光永寺(荒原光春住職)=横浜市鶴見区汐入町=では、さまざまな供養の形に加え、「廟」という考え方を提案します。
「廟」とは、特定の人物をまつる建物を指し、霊廟や霊屋とも呼ばれます。有名なところでは、伊達政宗公が眠る「瑞鳳殿」もその一つです。
光永寺が提供するのは「光華廟」(こうかびょう)は、コンパクトサイズながら通常の墓と同じ石を使う本格的な造り。墓のイメージを持った納骨堂という位置づけで、供養の仕方として珍しいものとのこと。
墓石は角度をつけた凝ったデザインで、一輪挿し用の穴も開口。彫刻もでき、四霊まで納骨可能で、夫婦、兄弟姉妹、友人同士など使い方は自由。「跡継ぎの面もあるから墓までは。でも納骨堂は味気なくて」などという方は一見の価値ありです。
「故人の供養は、ご先祖から続く命のリレー、絆を深めることにもつながる」と同寺。遠方にある田舎の墓を閉じて、地元近くに供養の場所を移す人も増加中。相談は随時可能。
- 永代使用料38万円〜(石代等別途)。宗旨宗派不問。見学可能(要予約)。
【石位牌】生きた証を刻む自宅用のお墓
光永寺が提案するもう一つの小さなお墓は、遺骨の入る小型の石位牌。故人をしのぶ新たな製品として注目を集めています。
この石位牌は、長さ約15cm、幅・奥行きが約3・5cmの長方形で、筒状のガラス瓶に遺骨を入れ分骨ができる仕組み。外側は御影石で耐久性があり、陶器に焼きつけた故人の写真をはめ込むこともできます。
「石碑や記念碑のイメージ。この世に生きた証を残してほしいという思い」と、戒名ではなく生前の氏名や外国墓のような生存年月日を記すことも可能としています。「形見までが一つになるのがいい」と、兄弟や親族などで購入する人が多いとのことです。
【まとめ】新たな供養の選択肢に
お墓は大きいし、維持管理が大変…という方などにおすすめの小さなお墓たち。新たな選択肢の一つとして、一度見学してみることをおすすめします。