商店街のアーケード頭上に子どもが!!世界各国の民族衣装を身にまとう人形の謎に迫る~横須賀市久里浜編~

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商店街のアーケード上でブランコに乗っているような女の子の人形

京急久里浜駅前で偶然の出会い

京急久里浜駅前、時刻は正午。「腹も減ったし、そろそろ商店街で昼めしでも食べようかな♪」と記者が東口改札を出ると、妙な視線を感じました。ぐるりとあたりを見渡すと・・・

!!!!!

いた!この子だ!

今まで何度も足を踏み入れきた商店街でしたが、猫背の記者は下ばかり見て歩いていたので全然気づきませんでした!

いや、この子だけじゃない。あっちにもこっちにも・・・

大勢いる!でも、もうちょっと近くで見たい!モスバーガー京急久里浜店の2階にのぼると・・・

おぉ~ガラス越しから同じ目線!これなら首も疲れない!

何やら世界各国の民族衣装を身にまとった子どもたちの人形が勢ぞろいしています。

でも一体、誰が、何のために・・・。

久里浜商店会協同組合の森下守久理事長に話を聞いてみた

久里浜エリアの歴史事情に詳しい森下理事長によると・・・

人形が設置してあるのは「はろーど通り」と「駅前本通り」のT字路。

今から30年以上前の商店街は、1階に片屋根が付いているだけのアーケードだったといいます。写真は昭和60年7月に撮影したもの。

昭和の終わりごろ、横須賀市は「活力とにぎわいのある都市づくり」の一環として、京急・JR久里浜駅周辺の整備に着手。昭和64年1月1日に発行された「広報よこすか」によると、「この計画は、歩道を広げて植樹を行うほか、電線類の地中化や、アーケードも一新して、快適な歩行空間をつくり出すもの」とあります。当時の商店会員たちも「モダンで先鋭的なアーケード」を探し求め、全国各地の商店街を視察。魅力あふれる商店街になるように、みんなでアイデアを出し合ったそうです。

そうしてリニューアルしたアーケードは平成元年5月に完成。延長257m、総事業費3億7,000万円にのぼる大工事により、今のカタチに。商店街アーケードの建設を数多く手掛ける国内トップメーカー・㈱日米アートム(当時の社名は㈱日米金属建物工業/本社・東京都新宿区)に事業を依頼。その際に人形も制作されました。

実は世界に一つだけの特注品

「ペリー上陸の地である久里浜ならではの商店街をアピールするべく、国際色を出したかった」。これが人形を取り付けた理由。特注品で1点1点が職人の手作りという計23体の人形は総事業費のうち約1,000万円も掛かっているとか。

「世界の人形」という名で「意匠登録」もされ、世界中を探し回ってもここだけでしか見ることのできない人形なのだといいます。ちなみにこの時、商店会がメインとなる通りにふさわしい愛称を市民に募集した中から「はろーど通り」の名が付きました。英語の「HELLO(こんにちわ)」と「道路(ロード)」を組み合わせたもので、アーケード完成に合わせてこの名称もお披露目されました。写真は当時の彫刻図面(人形の配置図)。

平成元年4月26日に発行された神奈川新聞には、商店会が全面広告を掲載。写真はその一部で、オープニング特別セールが開催され、ものまねタレント「くりかん」がゲストとして来たことが分かります。森下理事長もお若いですね~(写真右の人物)。

キレイな久里浜商店街で魅力感じて

人形だけでなくアーケード全体がキレイに保たれている久里浜商店街。維持のため、5年に1回のペースで専門業者にメンテナンスを依頼しているそうです。森下理事長は「久里浜が『ペリー来航の地』というのはあくまで歴史トピックの一つですが、教科書の中だけの情報としてだけでなく、実際にたくさんの人に商店街を訪れていただき、街の雰囲気や人形の意味を感じてもらえれば」と広く呼び掛けています。

頭上ばかり見ていたせいか、背筋が伸びて猫背が治ったような。。。と思ったらピキッ!なんて激痛が走らないように油断せず、今度はゆっくりと奥深い魅力を感じながら商店街を歩いてみようと思います。

住所

神奈川県横須賀市京急久里浜駅

公開日:2021-09-09

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