茅ヶ崎地区コミセンやモキチフーズガーデンに程近い茅ヶ崎市元町で約90年、昭和初期から町の変遷を見つめ、地域で家づくりを続けてきた「岸建築」(facebook、Intagramあり)。
現在は3代目で職人の岸宏和さんが、妻で一級建築士の佳代子さんとともに「4つのこだわり」をもとにした家を作り出しています。
4つのこだわり
こだわりの第一が耐震
岸さんは阪神淡路大震災があった1995年、東京工芸大学建築学科の研究室に所属。そこでTIP構法(下地板を斜め45度に張ることを中心とした技術で、総合的に構造そのものを強くし『想定以上の耐力』を持つ)を学生として学び、卒業論文を書きました。「阪神大震災でもTIP構法の家は倒壊しなかった。日本の気候風土に合致し、理にかなった構法と確信して惚れ込んでいる。自分の手で一つ一つ施工している」と話します。
- 岸建築では現在、標準仕様としてTIP構法を採用しています。
2つ目は「健康住宅」
岸さん自身、小児喘息とハウスダストアレルギーに苦しんでいます。
- その経験から化学物質を含まない自然素材を使い、「日本古来のものは身体にいい」と身体にやさしい家づくりを薦めています。職人の技に木が生かされ、健康的であたたかい空間を作り出します。
3つ目は手刻み加工
今や木材加工も工場生産の時代。
しかし岸さんは、全国の木材が集まる新木場まで直接買い付けに行き、自らの目で1つ1つの木の様子を見ながら、強みでもある自分の作業場の機械で家に合わせた建材を自分で作ります。
- 手間がかかるものの、コストダウンにもつながるため「全てはお客様のため」と利益を度外視することも。
4つ目はアフターメンテナンス
思いの根底にあるのは「お客様との一生のお付き合い」です。
「家を建ててからもお客様と付き合いが続きます。子どもの頃、台風が来ると2代目の父はお客様から『瓦が飛んだ』とか電話をもらい、何時であろうと飛んでいくんです」
- 父からの姿勢を受け継いだ岸さん。アフターメンテナンスに限っては「基本365日24時間営業」と話し、建てるだけでなく「かかりつけ工務店」として、メンテナンスを欠かせません。
お客様の希望に合わせたプランニング
これまで様々な方とその人に合わせた家を作ってきました。
例えば、使う人の身長が低いため、上の収納スペースを利用していなかったキッチンをリフォームし、低い収納のキッチンを作ったことも。ご高齢な方には掃除しやすく転倒などの事故がないように凹凸のない空間など、それぞれのライフスタイルに合わせることができます。
岸さんは「自分も物の見方やいろんな立場を知ることができる」と依頼者との出会いから学びを得ていました。