色や線、さまざまな画材を用いて表現される「美術作品」。美術館に行くとそれを「理解しよう」と身構えてしまうかもしれない。横須賀美術館(鴨居)で開催されている「ビジュツカンノススメ」展は、横須賀美術館について深く知るための4つのキーワードから、アートを楽しむヒントを提供する企画だ。
「アトリエのひみつ」では、田浦のアトリエで創作活動を展開していた洋画家・朝井閑右衛門洋画家・朝井閑右衛門を紹介。「絵画とブックデザイン」では、1920~30年代に活躍した古賀春江や東郷青児が手掛けたモダニズム絵画、書籍の装幀から、身近なアートに触れていく。美術館で私たちは完成された「作品」しか目にすることがないが、ゼロから物が生まれる過程を辿ることで見る角度も変わるかもしれない。「作品のつくりかた」では、日本画や油彩など現代作家へのインタビューや制作方法の映像やから、完成までの道のりを紐解く。
建物まるごと楽しむ
同館では、東京五輪にも携わったグラフィックデザイナーの廣村正彰のピクトグラム(絵文字)を採用しており、館内で案内する「よこすかくん」も美術館を構成する要素の一つ。屋外彫刻や開閉時のサウンド・ロゴ、さらにロケーションや建物の構造、光の入り方なども感じながら「美術館を探検」する楽しみ方を学ぶ。
このほか横須賀美術館が作成した学習教材「アートカード」や視覚障害者が触って鑑賞できる「触図」も紹介する。
会期は11月7日(日)まで。詳細は同館 046-845-1211