- 横浜国際プールのオリジナルスイーツKOKUPUSABLE(国プサブレ)が先日完成した。
都筑野菜として代表的な小松菜をパウダーにし、生地にふんだんに練りこんだ。バターの芳醇さと小松菜の豊かな香りが広がる一枚だ。
「国際プールに新しいお土産を」館長の熱い想い
ある時は、国内最大級の国際公認プールに。ある時は、床のパネルを組み立わせ、バスケやテニスなどのスポーツフロアに変身する横浜国際プール。そんな国際プールでなぜ「サブレ」なのだろうか?サブレに込められた作り手の想いを巡る。
「サブレを作っているんじゃない、地域を創っているんだ!」
「国際プールやスポーツセンターなど都筑のスポーツに携わり10年近く経ちました。プールに人を集めることが大前提ではありますが、国際プールが地域のランドマークになれればと考えていました。そこで『地産地消』『地元企業の活性化』『障がい者の社会進出』をテーマに掲げ、サブレ作りを始めたんです」と熱く語るのは横浜国際プールの吉田文雄館長。
全て手作業・手作りで
まずは北山田商業振興会の平林隆義会長や都筑区役所に相談し、サブレ作りを依頼したのは、障害者と健常者が一緒に菓子製造・販売を手掛けている株式会社ショコラボ。
担当シェフは「通常ココアなど混ぜるとき、パウダーは全体の1割程度なんだけど、今回は小松菜の味をしっかり出すためにパウダーを2割入れててね、生焼けにならないように低温でじっくりと焼いています。サブレに入った刻印も一つ一つ手作業で。通常は片抜きでやるんだけど、スタンプのような型で深さや加減を調整しながら慎重に作業しています。全て手作業なので多くは作れないけど、みんなで分担して楽しく作っていますよ」
味の要、小松菜をつくるファーマーとの奇跡の出会い
「当時、サブレの肝となる小松菜を都筑区連合町内会の村田会長から紹介されたJA横浜 きた総合センターから仕入れたんだけど、水気の多い小松菜だからパウダーにするのも大変で。そんな時に小ロットからパウダー加工をしてくれる方と出会えたのは本当に良かった」と館長が語るのは、小松菜農家の小山晃一さん、生地に練りこむ小松菜をパウダーにするKururu factoryの土井和裕さんとの出会いについてだ。
「最近、パウダー加工をしてくださいというお話は結構いただいていて、館長からの依頼も『地産地消でできるならいい話だな』と思いました。買い付けも依頼されたので知り合いの小山さんを紹介しました」と土井さん。「今年は割と良くできたかな」と話す小山さんが育てた小松菜がふんだんに使用されている。
「困ったことはなんでもお任せを!」頼れる都筑のものづくり集団メイドインつづき
サブレの金型や商品パッケージについてメイドインつづきの蟹江千里さんに相談すると、金型は株式会社ミカワ精機が、ラベルは善友印刷株式会社が協力。販売台の制作は株式会社オクタノルムジャパンと第一フォーム株式会社が担当した。
「3Dプリンターを使ったり、テフロン加工をしたり3、4回は改良を重ねたよ。今後もっとバージョンアップさせたいね」と㈱ミカワ精機の近藤芳正代表取締役。蟹江さんは
- 「館長が『ネットでも頼めるんだけど、メイドインさんできる?』って話を持ち掛けてくれるのが嬉しかったですね。国際プールの製品として残ってもらいたいです」
館長の熱い思いと都筑区の企業の技術が詰まった「国プサブレ」10月16日から国際プールで発売を開始する。