サウナの心地よさにみんなが気づき始めた
近ごろサウナが人気です。おじさんの社交場のイメージも今は昔。〝サウナー〟と呼ばれる愛好家が全国各地に増殖中で、若い世代がブームをけん引しています。
そんな彼ら(彼女ら)は温浴施設で楽しむだけでは飽き足らず、「テントサウナ」と呼ばれる持ち運び可能な簡易型を持ち出して、アウトドアシーンで楽しんでいます。湖のほとりにテントサウナを設置して、サウナ室でしっかり汗をかいてから、キリリと冷えた湖水を浴びる。奥多摩の清流をラフティングで川下りし、冷えた身体をサウナで温める。そんな大喜利のような企画が次々と登場しており、全国各地の〝サウナー〟を集めています。
サウナをアクティブに楽しむ
三浦半島でそんなイベントがないだろうか。ありました!三浦市諸磯にあるマリンレジャー施設「三浦海の学校」で開かれている「シオカゼサウナ」。水深3.5mのダイビング専用プールの脇にテントサウナを置き、プールを水風呂に見立てて、サウナで火照った身体を泳ぎながらクールダウンするというユニークな内容です。
火照った体をプールでクールダウン
体験に訪れたのは、10月下旬の週末の夕方。暮れなずむ相模湾の夕日の美しさに心奪われます。上着なしでは少し肌寒い陽気。日が暮れるとともに気温が低下し、プールの水温もいい具合に。ちなみに一般的な適温は17℃前後だそう。
テントサウナは耐熱性で、薪ストーブを炊いて室温を100℃前後まで上げます。いざ、入ってみると、温浴施設にあるそれと遜色ない熱気。毛穴が開いて徐々に汗が噴き出してきます。 「熱した石にハーブやほうじ茶をかけて水蒸気を発生させ、香りも楽しんでください」。スタッフのアドバイスに従うと、確かにリラックス効果がありそう。「ロウリュ」と呼ばれる、フィンランドの伝統的なサウナの入浴法とのことでした。
テントサウナで汗をかき、プールにドボン! 温冷交代浴を繰り返すこと3回。チェアに身を委ねて目を閉じると、なんとも言えない浮遊感を味わうことに。サウナの効果かどうかは定かではありませんが、心地よい疲労とともに、その日の夜は深い睡眠を得ることでできました。
このシオカゼサウナ。土日を中心に定期開催しています。スペシャル企画として、近くのビーチまでシーカヤックで繰り出して、穴場スポットでテントサウナを楽しむ三浦半島ならではのイベントもあるそう。サウナの可能性がアイデアひとつでどんどん広がっています。