明神町に住む秋山英夫さん(74)と知江さん(73)夫婦が初の絵画展を左入町で開催している。英夫さんが描く日本画と知江さんが描く水墨画、計26点を展示。30年間、趣味で描き続けてきた英夫さんの個展開催を知江さんが後押しする形で実現した。
対照的な二人
英夫さんは、菊や紫陽花、胡蝶蘭など植物を描いた作品が多い。制作期間は1作品あたり3、4カ月。複雑に色を重ねる背景にこだわり、対象物を引き立たせる。知江さんは「すごく真面目でしっかり描く人。職人のようね」と、英夫さんの人柄について評する。
一方、知江さんは、洗濯のりなどを使った独特な「にじみ」を表現する水墨画の新技法に挑戦した絵を描く。知江さんは「調味料や岩塩、料理でも作るような材料を使って面白い」と笑うと、英夫さんは「新しい技法が楽しそうでうらやましい」と称賛する。
妻勧め、夫誘い
口数が少なくシャイな英夫さんと社交的な性格の知江さんだが、二人での個展開催を誘ったのは英夫さんだという。
趣味で日本画を始めて30年ほど経つ英夫さんに対し、知江さんは「何度も何度も」個展開催を勧めてきた。それを受けて英夫さんは4年前、「二人でやるなら」と、開催を決意したという。
20代のときに油絵をたしなみ、65歳で定年後、趣味で水墨画を始めていた知江さん。月に2回、国立市にある教室に通っている。絵画展に向け、4年かけて作品を準備してきたという。
知江さんは「この1年間は死に物狂いで準備。先生たちの後押しのおかげ」と感謝する。

英夫さんの作品
きれい感じる
コロナ下となる前は、よく絵画鑑賞にも出かけていたという二人。東京国立博物館やデパートの企画展など、これまで200カ所以上訪れている。知江さんは「すごく楽しくて。帰りの電車は感想を言いあうの」と、仲睦まじい様子だ。
また、数々の名画を見てきた知江さん。英夫さんに個展開催を勧めた理由について「口数は多くないけど、きれいだなと思う気持ちが純粋に絵に表れている。みんなに見てほしかった」と話す。

知江さんの作品
二人展は5月30日(月)まで。村内ファニチャーアクセス八王子本店の北3階、サロン樫の木(左入町787)で開催している。午前10時40分から午後5時(最終日は4時)まで。