居住者同士が日常の家事の一部を共同化したり、子育てを手伝い合ったりしながら生活を送る「コレクティブハウス(以下、CH)」。このCHを横浜に作ろうと、7月10日に泉町のコワーキングスペース「いづみco&work」で話し合いが行われ、開設への第1歩を踏み出した。
女性の社会進出や自立に伴い、世界中に広がりを見せているCH。日本では、NPO法人コレクティブハウジング社が2000年に設立された。同法人は、東京都を中心に5カ所ほどでCHを開設し、運営のサポートを行っている。
いわゆるシェアハウスとの大きな違いは、共有スペースがありながらもトイレや浴室、キッチンなどは住戸ごとに独立している点。運営・管理についても定期的に定例会や総会を開き、居住者同士が話し合って仕組みを作っていくなどハードとソフトの両面で異なっている。また子育てを終えた居住者などが、養育が困難な家庭などを支援することができるなど、地域での子どもの居場所の役割も担える可能性もあるという。
交流の楽しさ 共有
横浜でCHを作ろうと活動を始めたのは、大島由起雄さん(55)。大島さんは「子育てをするには良い環境で面白そう」と、9年前に東京都豊島区のCHへ入居した。子育て世代以外にも高齢者や1人親世帯など多様な人々が共存し、月に1回居住者全員分の食事を作るなど人との交流が自然と生まれる生活に楽しさを覚えた。しかし自分の子どもたちが成長し部屋が手狭になったことや、通学上の問題から昨年西区へ転居。横浜にもCHを作ろうと動き始めた。
初の話し合いの場となった7月10日には、学童保育の関係者や地域づくりに興味を持つ人など10人ほどが参加。参加者それぞれの自己紹介から始まり、大島さんがCHについて説明したうえで意見交換を行った。「CHで過ごす楽しさを共有していきたい。横浜でも同じような場所ができたら」と大島さん。
いづみco&workでは、8月6日と9月3日に第1回と同内容を開催予定。午後4時から5時30分までで、参加費500円。参加申込みは専用フォームから。