10月某日、タウンニュース横須賀版、逗子葉山版、三浦版の記者が集まり、デイキャンプをしてきました。コロナの感染状況も落ち着いてきた頃合い。久しぶりに懇親会をしようと企画したものです。
デイキャンプの開催地は葉山町のHayama RV-SITE。ツリーハウスや電源もある快適な空間です。
それぞれが担当する地域でとれたり、作られている食材やBBQグッズを駆使しようと、日ごろの取材や営業でお世話になっている方たちに多大なご協力いただいて「三浦半島の幸を集めたデイキャンプ」を堪能することができました!
小粋なバンで気分上々
まず、事の発端となったのは三浦版のこの記事(https://www.townnews.co.jp/0502/2022/09/09/641239.html)。私たちは今流行りの「バンライフ」を体験してみようと「Awesome Wheel Designs.合同会社」の根岸辰也さんにT記者が連絡。借りることができました。
レトロで使い勝手の良い仕様にカスタマイズしたキャンピングカーのレンタルサービスの名前は「 Van Cruise 」。2022年8月からスタートしました。「DISCOVER YOUR LOCAL」をコンセプトに掲げ、洒落たバンで三浦半島を巡ることで非日常的な雰囲気を味わいながら、オリジナルの観光体験をしてもらうのが狙いです。
コロナ禍でアウトドアへの興味関心が加速する中、パーソナルな移動手段を提案。車内は木の温もりを感じる空間で、冷蔵庫やランタン、椅子、テーブルなどが備え付けてあり、ルーフキャリアに登れば、旅先の絶景を眺めることができます。
人生で一度でいいから体験してみたかったイナバ物置スタイル。LINDA(ハイエース)とCHOBI(軽バン)の2種がありましたが、せっくなので広い空間でより贅沢な時間を味わうべく大きい方をチョイスしました。すでにバッテリーは積んでいましたが、こちらのキャンプ場には電源が設けられており、せっかくなので車と繋いでみることに。
すると、優しい光が照らし出しました。ソファになったり、ベッドになったり、変幻自在のトランスフォーム状態。秘密基地感あふれるスペースで、ゆっくりと本を読むことができます。
こんなバンでT記者に向かってもらったのは、城ヶ島漁業協同組合が運営する直売所。彼は「超」がつくほどのインドアで、キャンプは人生で2度目だそう。シャカシャカしたpatagoniaのナイロンジャケットをリュックに詰め込んでいるものの、付け焼き刃感が否めません。生け簀には、水しぶきをあげて元気良く泳ぐ赤々とした伊勢海老やごろっとした大粒のサザエがずらり。いずれも城ヶ島の名産です。
海老の筋力を侮ってはいけません。キャンプ場に着いてからも漁師さんに入れてもらったビニール袋から「キュ~」とか何とか聞こえてきます。T記者はケンシロウさながら両手で鷲掴みにし、眉一つ動かさずに網の上にオン。するとピョ~ンと場外に逃げる始末。
うわっ、どうしよう!と3人の間には何か言いようもない緊迫した空気が流れましたが、悪戦苦闘しながら再び網に戻し、とにかく焼きに没頭しました。ただ「イキがいい≒絶対うまい」ということを確信しました。
しばらくすると、香ばしい白煙が鼻孔をくすぐってきました。もういいだろう。徒労感を抱えながら誰かが言い出しました。熱々の殻をむしり取り、大きな口を開けて頬ばると・・・
「美味ぃ~!!」。全員思わず声を上げ、顔を見合わせました。そうこうしてる間に、サザエもフツフツ。静かに貝殻の穴に目を落とし、軽く醤油を落とせば、もう涎が止まりません。こちらもほじくり出してパクリ。苦味のうまさを感じられるようになった大人の味覚にサンキューと叫びたくなる衝動に駆られました。目の前にはノンアルコールビール。様々な想いと一緒に飲み干しました。
農福連携のおしゃれペンネ
伊勢海老のあまりの美味しさに食欲が爆発したころ、横須賀版のH記者がおもむろに取り出したのはおしゃれなデザインのパック。
アウトドア料理に求めるのは「簡単」「手軽」「美味しい」。そんな欲張りな願いを叶えてくれるのがこのファゼーロファームの「アウトドアキッチン」です。三浦半島で収穫した野菜を乾燥させ、米やパスタと合わせてパッキングしたものです。ソースや調味料もセットになっており、熱したフライパンにオリーブオイルと水を加えて熱するだけ。今回は「キノコのペンネ」を試してみましたが、立派な料理が10分ちょっとで完成しました。
災害時の備えや保存食としてもGood!
実はこの商品、横須賀市にある農園で栽培された野菜を使用していますが、障害者が農作業に従事しているのです。「農福連携」といって、障害者の就労機会や生きがいを作り出しています。市場に流通できない野菜を使用しているなどフードロース削減にも一役。人と社会にやさしい「エシカル商品」であり、そんなストーリーを知ることで、美味しさがさらに広がりそう。リゾットやスープ、ミネストローネなどもあり、違う味も試してみたくなりました
ヨコスカ最強コンビ
まだまだ続きます。「街の肉屋の総菜メニューに外れなし」。そんな言葉があるか、ないかは分かりませんが、横須賀 松坂屋は間違いなくその代表格。コロッケ、メンチは鉄板ですが、ソーセージをチョイス!キャンプ料理に彩りを添えること間違いなしです。
今回調達したのは、先ごろドイツの加工品の賞レースで金賞を獲ったばかりの逸品。店主のおすすめをセットにしてもらいました。
定番のプレーンはもちろん、イカスミや横須賀野菜、葉山産の夏みかんを練り込んだ変わり種もあり、目にも美しい。口に運べば、皮を破る時のパリッツとした歯ごたえに肉汁があふれ出ます。
用意した「ヨコスカビール」との相性も抜群。グイグイいける。もう「最高~」の言葉しか出ませんね。
オマケとして頂いたコンビーフ。これは軽くあぶったパンに挟んで豪快に頬張りました。
王者・葉山牛
フィナーレを飾るのは逗子葉山担当の私、Y記者が持ってきた葉山牛です。
「幻の牛肉」とも呼ばれる貴重なこのお肉は、石井ファームの直売所「葉山マルシェ」で購入したもの。ちょうど、生産者の石井裕一さんがお店にいらっしゃったのでオススメを聞いたところ「BBQならモモが良いですよ」とのことで購入!隣にあった限定品の「葉山牛ハンバーグ」もゲットしました。
言葉はいりません。見てください、この王者の貫禄を。この頃になると取材であることを忘れて口数が減り、「うまい」としか言わない3人が完成しました。
なんとか意識を取り戻し、「肉には白米だ!」ということで、葉山町の老舗「つばき米店」と建設会社・株式会社ヌマタが開発した「キャンプライス」を炊くことに(詳しい記事はこちら:https://www.townnews.co.jp/0503/2022/03/04/615268.html)。
お米マイスターの椿さんに教えてもらったとおりに炊いてみると
ふっくら美味しく炊けました!
これに合わせたのが、冒頭に食べた伊勢海老の頭を使ったお味噌汁!!
これには全員悶絶。三浦半島の恵みをフルコースで堪能したのでした
地場のキャンプギアブランド
あまりの美味しさと満腹感で意識が朦朧とするなか、食後のお楽しみ、「焚火」をすることに。持ち込んだのはANAテック㈱が展開しているキャンプギアブランド「Iron Camp」の製品です。
同社は板金加工・アルミ溶接を専業としており、主に電車や船舶などの鉄製部品を手掛けています。近年では、オーダーアイアン家具の製造販売にも事業領域を広げており、その延長線上としてキャンプ用品も生み出しているのです。〝鉄のプロ集団〟が作り出すそれは、質実剛健、堅牢性の高さが自慢。今回使用したのは、鉄製の焚き火台「FUJIYAMA」。
その名の通り、富士山を模したデザインがユニークで、焚き火テーブルと組み合わせることで簡単な調理も可能です。スリットから漏れる焚火の灯りが、夕暮れ時のリラックスムードを高めてくれました。このほかにも、ペグやランタンスタンド、フライパンなど硬派なキャンパーにおすすめしたいギアが続々と登場中。横須賀市役所の地階スペースにサンプル品を展示しており、気軽にチェックできますよ。
最後に
途中、雨が降るというハプニングもありましたが、改めて三浦半島の食材の豊かさ、そして地元企業の匠の技や新たな試みを味わい、体験する機会となりました!「遠くへ行かなくても、こんなに楽しいデイキャンプができる」。日頃の取材だけでは知りえなかった発見に、3人は身も心も満たされ帰途についたのでした。