川崎区中央・大師・田島の交通安全母の会が主催する 「大人と子どもの体験型交通安全教室」が10月29日、川崎競輪場で初めて開かれた。
「交通安全は家庭から」をスローガンに掲げる交通安全母の会は、交通事故防止の啓発に取り組むボランティア団体。町内会・自治会等から推薦された女性会員が任命される。
同会はこれまで、「市バス安全・安心フェスタ」に参加して啓発を行ってきたが、コロナ禍でイベントが2020年から行われていない。新たな事業を模索する中、たどり着いたのがこの体験型安全教室だ。佐山良子中央地区交通安全母の会会長によると、【1】交通事故多発地域の川崎区では自転車事故も多い【2】子どもたちを交通事故から守りたい【3】大人も交通ルールを改めて認識する機会をつくりたい―との思いから企画したという。
開催当日は神奈川県に一台しかない県警交通安全教育車「ゆとり号」で、自転車シミュレーターや反射神経ゲームなど様々な交通安全体験を実施。持ち込み自転車で安全にコースを運転する体験会などを行った。母の会は紙とんぼや缶バッチ作成のワークショップを開いたり、ポップコーンのプレゼントなど少しでも楽しいイベントにしようと工夫を凝らした。「地域では近年、電動アシスト付き自転車の利用者も増えている。便利だが、スピードも出て危険。それも含めた教室を行っていきたい」と佐山会長。早くも来年度に向けて思いを巡らせている様子だ。
区における交通安全母の会の役割について「交通事故撲滅に特効薬はないが、母の会による、地域や家庭への地道な啓発はとても大切」と増田宏之区長はさらなる活躍に期待を寄せる。