【鎌倉のとっておき】かまくら花めぐり<大巧寺(だいぎょうじ)>

シェアする
【鎌倉のとっておき】かまくら花めぐり<大巧寺(だいぎょうじ)>
大巧寺に咲くアガパンサス

 大巧寺(だいぎょうじ)(小町)は、「おんめさま」の名で親しまれ、安産祈願の寺として有名だ。元々は、十二所(じゅうにそ)にあり大行寺といったが、源頼朝がこの寺で軍議を開いた後に大勝したことから、大巧寺と改名した後、1320年には現在の地へ移転したという。

 ここに咲く花といえば、初春の頃は蝋梅や梅。境内の其処此処(そこここ)で黄色や白の花々を咲かせ、鎌倉に春を告げてくれる。加えて、赤や白など色とりどりの椿が境内を賑わせてくれる。春も暖かさを増す頃、本堂前で、紅白の木瓜(ぼけ)や、真っ白な姫空木(ひめうつぎ)、そして黄色い山吹の花が満開を迎える。

 初夏の頃は金糸梅(きんしばい)。鮮やかな黄色の花が咲き揃う。そして紫陽花。渦(うず)紫陽花や額紫陽花など種類も豊富で、薄紅色などに染まった花々が目を楽しませてくれる。紫陽花が盛りを過ぎる頃には、薄紫色の紫君子蘭(むらさきくんしらん)(アガパンサス)が参道の両脇を彩る。さらに、桔梗や蓮、柘榴(ざくろ)などが咲き始め、境内は夏模様となる。

 秋には岩藤。房状の薄いピンクの花が、参道の両側で咲き始め、季節が進むにつれ、秋明菊(しゅうめいぎく)も楚々として咲き始める。そして、紫式部が濃い紫色の実をたわわに実らせる頃には、磯菊が黄色い小さな花を付け始める。

 年の瀬の頃には、万両の真っ赤な実と、この頃に咲き始める椿とが、境内に彩を添えてくれる。

 いつもながら、手入れの行き届いた大巧寺。四季折々の花々に出会える、鎌倉随一の花の寺である。   

       石塚裕之

『鎌倉のとっておき』へ

住所

神奈川県鎌倉市鎌倉市小町1-9-28 大巧寺(だいぎょうじ)

ホームページ

外部HPリンク

公開日:2022-12-17

関連タグ