感染拡大の第8波が訪れた今、地域の介護の現場はどうなのか。神奈川県高齢者福祉施設協議会藤沢地区福祉施設連絡会の川瀬和一会長(共生会)と、藤沢市居宅介護支援事業所連絡協議会の三上直樹会長(同)に話を聞いた。見えたのはコロナ禍の中、模索を続け進化する介護の姿だった。
医・福連携強化安心のまちへ
「このコロナ禍を経験して、大きく進化したのは連携の意識です」と語る川瀬会長。これまでは介護は介護、医療は医療と、それぞれの機関ごとの対応となっていた。しかしコロナ禍を受け、り患者への対処や、回復後のケアの手法、病院の病床確保にもつながる入退院のタイミングなど医療と介護、ジャンルを超えた情報連携への取り組みが進んでいる。それは現場の質を高める研修にもつながり、感染症に加え、防災のジャンルでも知見が深められている。「今後、医・福(介護)連携はより強化される予定」と川瀬会長。安全・安心のまちづくりに大きく寄与する体制がととえられつつある。
ICT進化も「絆」大事に
「介護業界で比較的苦手だったICTの発展もあった」と話す三上会長。リアルでの情報共有や学びが一時できなくなったことが契機となり、ICTの普及の弾みになった。面会に使われることなど、利便性があがり、サービスの質向上にも役立った。だが、家族との絆、顔と顔をあわせることの大切さは、より貴重だと教えてくれた。「その空間にともにいること、絆をつなぐ場は大切にすべきと学びました。」と三上会長。
新たなステージへ
「介護スタッフはみなマジメ。認知症の方々にも穏やかに心豊かに暮らしてほしいと奮闘しています」と川瀬会長。医療機関との連携が進んで知見が深まり、コロナ禍で感じた人と人とが触れあえる温もりの大切さを今まで以上に心に刻んだ。川瀬会長は「たくさんの課題が生まれ、それを解消していく流れがある。今後はより安全で質の高いサービスが提供できる」と自信をのぞかせる。三上会長も「医療のほか、地域のNPOなどとの連携も進みつつある。地域一丸でよりよい介護を目指します」と誓った。