【取材レポートVol.6 】身近な地域の見守り隊!昨年12月に新体制となった民生委員・児童委員さんと主任児童委員さんに話を聞きました

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【目次】
◎厚生労働大臣が委嘱!まちの1番身近な相談相手
◎子どもの幸せ願い、できることから(主任児童委員の水澤美絵さん)
◎長年築いてきた地域の関係を活かして(民生委員・児童委員の今井典代さん)
◎取材を終えて

厚生労働大臣が委嘱!まちの1番身近な相談相手

民生委員・児童委員は、厚生労働大臣の委嘱を受ける非常勤特別職の地方公務員です。地域住民の一員として相談に応じ、関係機関へつないだり、高齢者や障害者の見守り、子どもたちへの声かけなどを行います。

  • 民生委員は児童委員を兼務するため1人の民生委員を「民生委員・児童委員」と呼んでいます。
  • 主任児童委員は民生委員・児童委員の中から選任され、子育て支援や児童健全育成に向けた活動を行います。
  • 任期は3年で、再任も可能です。
  • 横浜市では、民生委員の配置基準を200世帯~440世帯に1人としています。
  • 法律で定められた守秘義務があります。

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子どもの幸せ願い、できることから(主任児童委員の水澤美絵さん)

羽沢地区の主任児童委員を務める水澤さん(中央)

  • 羽沢地区で主任児童委員を務める水澤美絵さんに普段の活動について、聞きました。

我が子の幸せのために、周りの子の幸せも

「子ども会で様々な子どもと接するなかで、我が子を幸せにするためには、我が子だけでなく、周りの子も幸せにならないとダメだと思い、主任児童委員になりました。委員になって4年、現在2期目を務めています」

なるべく学校と近い距離感で

「地域の子どもたちの普段の様子を知るのはなかなか難しいと感じています。そのため、羽沢小学校の学校・地域コーディネーターを担いながら給食室でも働き、学校内での子ども達や先生方とのたわいもない会話から情報収集を行っています」

お正月に合わせ、絵馬に願い事を書く子どもたち

水澤さんは子どもの居場所「つみ木」を地区の民生委員と一緒に運営しています。小学生を中心とした遊び場として大道第一公園を利用しています。1月11日には、新年に入り最初の開催となり、50人以上の子どもたちが訪れていました。福笑いや絵馬などお正月らしい企画が用意してあり、子どもたちは友だちと一緒に夢中で遊んでいました。

水澤さんやお手伝いをしてくれる保護者などはみんな子どもたちの安全を確保しながら、一緒に遊んでいました。水澤さんは「子どもと一緒に遊ぶことで、同じ目線で様々な話を聞くことができます。その中のちょっとした受け答えや仕草が何か起きたときに早く気付くヒントにもなります」と話していました。

 

居場所支援がもたらすもの

「主任児童委員になって4年ですが、子ども達の様子を見ていると、不安な表情、大人から見て不可解な動きには、必ず理由があると気付かされることが多くあります。『家に帰りたくない』と途方に暮れて泣いている子どもに出会ったら、多くの大人が声をかけると思います。子ども達が困っている理由は様々です。

でも、『どうして帰りたくないの』『どうしたらいいのかな』などと話しかけているうちに、落ち着き、ぽつりぽつりとわけを話し始めます。保護者との関係に悩む子どもには、一緒に家に付いていき、子どもと保護者の間に入ってお互いの気持ちの擦り合わせをしたこともありました。子どもと話す時は子どもと同じ目線、保護者と話す時は保護者の目線で話そうと努力していますが、難しさも感じます。もちろん、やりがいも大きいですけど。

家庭にだけしか子どもの居場所がないと、何かの時に子どもも大人も煮詰まってしまいます。この時に、外にも居場所があれば、そこが緩衝材になることもあるのかとも思い、『つみ木』に集まる子どもたちを見つめています」

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長年築いてきた地域との関係性を活かして(民生委員・児童委員の今井典代さん)

神奈川区民生委員児童委員協議会の会長を務める今井さん(右)

  • 今期から、神奈川区民生委員児童委員協議会の会長を務める今井典代さんに民生委員の活動について話を聞きました。

今年で10期28年目

「私が初めて民生委員に就いたのは、28年前の1995年。今年で10期目となります。夫が七島南町内会の役員を務めていましたので、自然と民生委員を担うことになりました。昔からこの町の土地柄なのか、住民同士助け合うのが当たり前な雰囲気があります。長年住んでいるので、知らない人はいませんし、住んでいてとても居心地がよいので、ずっと住み続けていますね」

親身になって話を聞き、関係構築

「大口七島地区を担当していますが、一人暮らしをされている方も多く、最近は地域とのつながりを全く持とうとしない方もいます。しかし、災害などが起きたときに対応できるように、民生委員として住民の家族構成などを把握しておくことが大切となります」

「地域での関係構築は、まずは訪問し、民生委員の存在を知ってもらうことから始めます。そして日々見守りながら何か困っているときには話を聞き、できることはお手伝いしながら、必要であれば行政などの関係機関につないでいます」

「親身になって話を聞くことは、相談者の心を落ち着かせることにつながります。その繰り返しが大切で、何かあったときには相談に来てくれるような関係を築くことができます」

季節の行事から地域住民の繋がりや困りごとを情報収集

「パンまつり」にて活動する今井さん(左)と民生委員の皆さん

「新型コロナの影響を受ける前は、餅つきなど季節ごとの行事を地区で開催し、家族みんなで集まれる機会づくりを行ってきました。地域住民同士が交流する機会になりますし、色んな情報が入ってきます。地域住民同士の関係性から困りごとを察知することも地域を見守る民生委員には大切です」

新型コロナの影響でもつながり絶やさず

「新型コロナの影響で、簡単に訪問活動ができないことやイベントも縮小せざるを得ない状況となりました。そんな中でも、感染症対策を行うなど試行錯誤しながら、地域のつながりが絶えないようにできることを続けています」

七島南町の町内会館では、8年前から月1回の頻度で地域カフェを開いています。昨年12月22日は、13人の地域住民が集まっていました。毎回参加しているという参加者は「家に独りでいると、誰とも話さないから月1回でも地域の皆さんと他愛のない話ができるのは嬉しいです。認知症予防にもなります」と笑顔で話していました。今井さんはカフェの様子を見守りながら、参加者の様子や参加者同士の関係性を把握し民生委員の活動に生かしています。

まずは行動してみること

「民生委員をやるなかで、新しいことをやってみて初めて地域のなかで気づくことが多くありました。新型コロナの影響で活動は制限されていますが、その中でもできることはたくさんあるはずです。民生委員の活動を始めたばかりの方は、自治会や地区社協など同じく地域の担い手と協力し合いながら、まずは行動してみることを意識してみてください」

今井さんは、長年七島地区に住み、夫も町内会長を務めていたことから「知らない人がいない」というほど地域に身近な存在でした。何か地域で困りごとがあると「今井さんのところに相談しよう」という関係性ができています。夫が他界した後も、築いてきた地域の関係から協力してくれる地域の担い手も多く、地域を見守る活動に生かされています。

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取材を終えて

3年に1度の民生委員・児童委員と主任児童委員の全国一斉改選が昨年12月1日に行われ、神奈川区でも委嘱式が開催されました。神奈川区では再任・新任を合わせて、自治会町内会長から推薦された民生委員・児童委員250人、主任児童委員33人の計283人が委嘱され活動をスタートさせています。

委嘱式

民生委員の活動は、地域の実情を把握することが大切だとわかりました。日常的な声かけや高齢者世帯への訪問、見守りなど身近な地域で幅広く活動するからこそ、また、様々な相談の関係機関へのつなぎ役としても、地域住民が担う必要があるのですね。まさに地域福祉の要の存在として欠かせない役割だと感じました。しかし、神奈川区内では、欠員が生じている地区もあります。

取材をした2人は、活動が制限されても「何か始めてみよう、工夫して活動を継続しよう」と前向きに取り組まれています。その取組が地域とのつながりを深め、地域の中で活動の担い手を増やすきっかけとなっています。2人の活動は、地域を支える上でとても大切な役割だと思いました。皆さんも地域を支えるお手伝いをしてみませんか。

活動してみたい、興味があるという方は、神奈川区役所福祉保健課(℡045-411-7131)まで。

民生委員・児童委員の活動の紹介動画はこちら

「かながわ支え愛プラン」のページへ

住所

神奈川県横浜市神奈川区広台太田町3番地8

問い合わせ

神奈川区福祉保健センター福祉保健課

電話

045-411-7131

045-411-7131

メールアドレス

kg-fukuho@city.yokohama.jp

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公開日:2023-02-14

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