片倉・神大寺・三枚地域 押し花絵本で認知症啓発 キャラバン・メイトら制作

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片倉・神大寺・三枚地域 押し花絵本で認知症啓発 キャラバン・メイトら制作

 片倉・神大寺・三枚地域で活動する認知症サポーター養成講座の講師役「キャラバン・メイト」から成る団体「おれんじろば」。このほど同団体が片倉三枚地域ケアプラザと協働し、認知症への理解を深めるための押し花絵本を発行した。今月には増刷も予定しており、活躍の場の広がりも見据えている。

 同団体に所属するキャラバン・メイトらは地域で講座を開くほか、毎年秋頃には同ケアプラザで開催する認知症啓発イベント「ロバメイトフェスティバル」の企画・運営などを行っている。同イベントは2018年にスタートし、コロナ禍で20年は中止を余儀なくされたが、翌年はオンラインでの実施にこぎつけた。

 イベント内では認知症をテーマとした絵本の読み聞かせも行っていたが、オンラインだと著作権が発生する問題に直面する中で、「自分たちで本を作ってみては」と着想。初の出版作業に難航しながらも、メンバーでアイデアを出し合って準備を進めてきた。

地域内での実例もとに

 原作はメンバーの鈴木秀夫さんが手がけることに。物語は、バス停を目的地としているが道に迷ってしまった高齢者に対応した片倉での実例をベースとした。また子どもでも読みやすいよう、平易な表現にするなど工夫。日常風景の中でいつもと違うおばあちゃんの行動に気づき、手助けするという心温かな内容に仕立てた。鈴木さんは「当事者やその家族を支えることは、決して難しくないということを感じてもらえたら」と話す。

15種類で物語彩る

 ストーリーに合わせて絵を制作したのは、押し花教室を開くメンバーの根岸厚子さん。普段と同様の素材を使い、表紙を含め7つの場面を押し花で表現。バラやアジサイ、シャクヤクなど15種類ほどを用い、加工した花びらで人や洋服などに命を吹き込んだ。

 また花の色味で登場人物の感情を伝えたり、「私を忘れないで」というワスレナグサの花言葉の意味を物語と紐づけたりするなど、細かい点まで趣向を凝らしている。一方で「繰り返し登場する人物の肌や服の色を、バラバラの花びらで統一するのは少し大変でした」と根岸さんは苦労を語る。

ケアプラで展示も

 半年ほどの制作期間を経て昨年完成し、30冊の初版はメンバーなどに配布。3月末までは同ケアプラザで絵の展示を行っている。増刷分は近隣地区センターなどでの配架、個人などへの販売を考えているという。

 おれんじろば代表の東田樹治さんは「認知症について親子で話し合ってもらったり、実際困っている方に手を差し伸べたりするきっかけの1冊となれば」と期待を込めた。

 絵本の問い合わせは東田さん【携帯電話】090・9956・8181。

神奈川区「支え愛プラン」のページへ

住所

神奈川県横浜市神奈川区

問い合わせ

東田さん

電話

090-9956-8181

090-9956-8181

公開日:2023-03-09

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