<平塚市土屋の水島さん宅>古代雛が50年ぶりに展示

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<平塚市土屋の水島さん宅>古代雛が50年ぶりに展示
「松鶴殿」(右)と清子さん。左側は娘・清美さんの七段飾り

 平塚市土屋の水島正己さん(70)の自宅に、昭和初期から30年ごろまで静岡県で製作されていた雛御殿「松鶴殿」が飾られている。これは妻・清子さん(68)の初節句に、母方から贈られた古代雛。秦野の実家の蔵でこれまで保管されており、飾るのはおよそ50年ぶりという。

 今年1月、女児の孫が誕生したことをきっかけに、「松鶴殿」を思い出したという清子さん。「松鶴殿」は昭和45年の新聞紙に包まれており、およそ50年ぶりの展示となった。清子さんは「50年以上もしまってあったのに、状態が良くて驚きました。毎年母と妹と3人で飾り付けしていたので、並べ方も覚えていました。子どものころの記憶がよみがえります」と懐かしむ。

 「松鶴殿」は、昭和天皇の即位式が昭和3年に京都御所で挙行されるのに着眼し、製造されたもの。最近では滅多に見ることのできない二棟、三棟、離れ付の飾り御殿となっている。御殿飾りは戦争の物資不足もあり、昭和10年代に姿を消していった一方で、戦後、復興が進むときらびやかな御殿飾りが再び流行。ところが高度経済成長期の昭和30年代後半になると、核家族化も進み姿を消していったという。

 正己さんは「時代時代で雛飾りの形は変わっていくけれど、人形を見ていると生まれた娘、孫への思いを感じる。子どもの成長を願って買ってくれたという思いは変わらない」と目を細めた。 「松鶴殿」は旧暦のひな祭りに当たる4月3日まで飾られる。見学希望者は水島さん【電話】0463・58・3790。

住所

神奈川県平塚市土屋

問い合わせ

水島正己さん

電話

0463-58-3790

0463-58-3790

公開日:2023-03-19

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