生後６カ月～100歳まで、確かな指導力で健康に

　川崎市宮前区にあるサギヌマスイミングクラブは1973年、創業者の「ずっと水泳に親しんでもらいたい」という思いから、卒業のあるスクール（教室）ではなく、共通の趣味をもつ仲間が集まるクラブとして誕生したそうです。健やかな身体と康らいだ心を意味する「健體康心（けんたいこうしん）」を理念に、0歳から100歳まで、水泳を通して、多くの人に末永く楽しんでもらえるクラブ作りを目指しています。

サギヌマスイミングクラブ鷺沼

• そこで、赤ちゃん体幹トレーナーなどの資格を持つ、水泳コーチの菊地さより鷺沼営業所支配人を取材しました。

原点は恩師との出会い　

　菊地支配人は千葉県で生まれ育ちました。「生後6カ月から地元の親子スイミングに参加していました。実家には今も、2歳の頃の潜水写真が残っています」と水泳を始めたきっかけを話してくれました。

2歳にして潜水

　小学6年と高校2年のときには、若手最高峰の大会「全国JOCジュニアオリンピックカップ」の出場も果たしました。「高校卒業まで、毎日どうやったら速く泳げるかだけを考えて練習に励みました」。選手コースで出会った恩師との出会いが一生を決めたそうです。「あこがれのコーチのおかげで、実力以上のタイムを出すことができました。幼いながら、いつかは自分も指導する立場になりたいと思っていました」。自身の一人一人に対し、きめ細やかに指導するスタイルは恩師譲りだといいます。

フィンスイミングで日本一の栄冠

　夢を実現させようと、都内の体育専門学校へ進み「日本スポーツ協会公認水泳教師」の資格を取得しました。その頃、フィンと呼ばれる足ひれを装着して行うフィンスイミングで日本一に輝きました。そして、アルバイト時代の知人の紹介でサギヌマスイミングクラブに就職しました。

　念願のコーチとなって数年が経ち、体幹（たいかん）が整っていない子が多く、自分の体を思うように動かせていない、走っているだけで転ぶ、骨折する子が増えてきたと実感したそう。そこで、子どもの体幹を整える資格「キッズスペシャリスト」を取得し、体の使い方を向上させることに特化した運動を行う、小学生向けのコンディショニングクラスを立ち上げました。トレーナーと共に「自分たちで未来を変えよう」と選手たちを鼓舞しています。

保育園でキッズ体操も提供

仕事と趣味・育児の両立

　アクティブな菊地支配人は、大型バイクでツーリングするのが息抜き。4歳になる娘のママは、妊娠前から仕事と趣味を両立させていました。夏は川や海でウエイクボードを楽しみ、冬になればスノーボードのために、一人夜行バスで雪山へ出かけたそうです。その他、ボルダリングやカメラなど人生を楽しんでいます。現在は、子育ても加わっています。「どんなに忙しくても話を聞き、足のマッサージをしてあげる。もう少ししたら、一緒に趣味を楽しみたい」と愛娘との関係を話しています。

妊娠をきっかけに学び

　5年前、産休・育休で職場を離れたのを機に、「赤ちゃん体幹トレーナー」の資格を取得。巷では「つかまり立ちした」「歩いた」など、子どもの成長速度を争う光景がみられます。こうした風潮に対し、「体幹を鍛えるには赤ちゃんの頃のハイハイが大切です」と力説。

　体幹トレーニングの多くは、ハイハイなど赤ちゃんが歩き出すまでの動きが元となっています。この成長過程で一生につながる体の使い方を覚えるという。何千人もの子どもたちを見てきた経験から、親子コース（6カ月～３歳）の教室では「あせらなくて大丈夫」と新米ママたち呼びかける。

足育講座の様子

　赤ちゃんが歩き出した後は、新たな刺激が加わり脳が発達します。そこで大切になってくるのが足。菊地支配人はこのほど、「足育アドバイザー🄬」として講座を実施しました。「サイズに合ったものを履かせましょう」「土台がしっかりしていないと安定しない」など、足の大切さや靴選びのポイントなどをアドバイスする姿がありました。「今は赤ちゃんの発達の学びと、その実践が趣味になりました」とほほ笑む。

楽しむことが大事

　2022年に支配人になり、心掛けてきたのが「笑顔」。「楽しんでいる雰囲気はきっと、会員さんたちにも伝わると思う。夢はサギヌマスイミングクラブを全国の地に知ってもらうこと。赤ちゃん体幹トレーナー兼水泳コーチとして、その子らしく生きられる場を提供していきたい」と抱負を話してくれました。

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