アリスイは、初めて見た時つぶらな瞳に可愛いと言う人と、姿が気持ち悪いという人に分かれるとても興味深い鳥である。英名のWryneckは曲がった首を意味し、奇妙に首を捻る姿は恐竜を思わせ、不吉の象徴とも言われる。
キツツキ科の鳥でありながら幹に垂直に止まる事はなく、一般の鳥の様に枝に横向きに止まる。体長は18cm、全身灰褐色で、小さな波型の模様が多数見られ、頭頂から背に1本の黒線が走る。
平地から低山の牧草地、開けた林、芦原などに生息し、自身では巣を作らず、樹洞や他のキツツキの古巣を利用し、6〜10個の卵を産む。
アリスイ(蟻吸)はその名の通り、体の大きさに対し最も長い舌を持ち、その長い舌で蟻を絡め取るように捕食する。
夏は東北地方北部や北海道の地で、それ以南の地では秋冬に、蟻の活動に合わせる様に移動し、活動しているが数は多くない。
繁殖期「キィーキィキィキィ」とかん高く澄んだ声は”秋のモズの高鳴き”の様に、北国では春を告げる声でもある。さて恐竜の様に見えるか、可愛い瞳に会えるか、早春の林に出てみよう。
瀬谷環境ネットとは
瀬谷区およびその周辺地域の自然環境をよりよいものにして次世代に引き継ぎたいとの願いから生まれたボランティア団体。畑作、水路及びビオトープの生物環境保全や生物観察会、環境保護に関する講演会開催、小学校総合学習や教員研修会への支援等に取り組んでいる。