秋の野に目立つタデ科植物は、萼(がく)と花弁(花びら)の区別は無く、花は萼が開いて開花する。
”タデ(蓼)食う虫も好き好き”のタデは、ヤナギタデ(本蓼)の事で、葉を齧るとヒリヒリと辛い。刺身のつま”紅蓼”はヤナギタデの品種である。俳句の季語”アカマンマ”はイヌタデのことで、身近なタデとして知られている。どちらも花は小さく花弁が無い。この花とは対照的に大きな花を付けるサクラタデを紹介する。
本種はイヌタデ属の多年草で水辺や湿地に生え、高さ50〜100cmで、地下茎を伸ばして増える。茎は直立して、葉は互生し、長さ7〜11cm、幅1〜2cmの披針形で、茎の先から細長い花序を出し、ややまばらに淡いピンクの花を付ける。花は長さ約5mm、直径8mm程度で5枚の花弁に見えるのは萼である。雌雄異株で、雄花は雄しべが長く、雌花は雌しべが長い。名前の由来は、花を見れば納得する。
和泉川沿いの貉窪公園(寺の脇)の水路で8月下旬から11月頃まで咲いている。毎月定例観察会(いきものたちの谷戸観察会)を行っているので参加しては如何か。
瀬谷環境ネットとは
瀬谷区およびその周辺地域の自然環境をよりよいものにして次世代に引き継ぎたいとの願いから生まれたボランティア団体。畑作、水路及びビオトープの生物環境保全や生物観察会、環境保護に関する講演会開催、小学校総合学習や教員研修会への支援等に取り組んでいる。