イイギリ(飯桐)という木をご存じだろうか。雌雄異株で雌木に実をつける。和名は大きな葉が、その昔おにぎり(飯)を包んだとかに由来するという。ナンテンによく似た赤い実を付けることより南天桐とも呼ばれる。
イイギリ科のこの木は15mにも達する落葉高木で、秋も深まる11月末頃に、真っ赤な実の大きな房を枝一杯に付け、垂れ下がる様はそれは見事である。その美しい実は装飾用や生け花にも使われている。イイギリは野鳥愛好家にはよく知られた木である。秋晴れの空に高く垂れさがる真っ赤な実に多数集まり、鳴き交わしながら貪る様に啄むヒヨドリの姿は、さながらごちそうに与かる宴の様である。
和泉川沿い、中橋下流に見られるイイギリは黄葉に赤い実を見せ始めたが、皆さんの近くの屋敷林でもこの巨木の姿が見られるだろうか。お隣大和の泉の森の水車小屋の脇とふれあいの森の果樹園に、又、少し遠いが白金自然教育園や新宿御苑では見事な大木がみられる。興味のある方は足を伸ばしてみるのは如何。
瀬谷環境ネットとは
瀬谷区およびその周辺地域の自然環境をよりよいものにして次世代に引き継ぎたいとの願いから生まれたボランティア団体。畑作、水路及びビオトープの生物環境保全や生物観察会、環境保護に関する講演会開催、小学校総合学習や教員研修会への支援等に取り組んでいる。