「建築家に憧れて工学部に行くつもりだった」
昨年4月、「海老名おはよう内科クリニック」を開業した田中守さんは、総合病院で30年余り循環器医療に従事してきた。カテーテル治療の立ち上げ、千を超える手術を経験していく中で、心疾患の予防や再発予防への思いを強くしていった。
「心臓リハビリ」
この言葉がクリニック開業のキーワードとなる。理学療法士のもとで行う有酸素運動は心臓リハビリの基本で、この有酸素運動をいかに質よく持続させるかで再発のリスクが抑えられる。カテーテル治療とは対極にあり、数カ月単位で推移を見守る「心臓リハビリ」を、地域医療で実践する。これが現在のライフワークとなっている。
「循環器内科の前に内科医であれ」
研修医時代に薫陶を受けた先輩医師から贈られたその言葉を今も大切にしている。むしろその言葉が独立開業への道を開いた、ともいえる。
長年の勤務医経験を経て開業したクリニックについて、「循環器疾患には専門的な治療を行い、その他の疾患にも幅広く診療する。特に高齢者の方が色々な病院をはしごして、結果として色々な薬を服用する傾向」を憂いている。さらに「様々な症状をきたすメンタル、心の状態にもしっかりと目を向けています」。
クリニックの待合室にある壁掛けのモニター(画面)に、趣味で撮影した四季折々の自然をスライド上映している。
田中 守院長
東京医科歯科大学医学部卒日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医、日本循環病学会 循環器専門医、医学博士( 東京医科歯科大学) 、日本心臓リハビリテーション学会心臓リハビリテーション指導士ほか