9月23日から浦賀ドック周辺で開催されている「MEGURU Project」。その中のステージで上演される特別企画「黒船が来たぁ」に緑ヶ丘女子高校の演劇部員が出演した。プロの俳優陣に交じって、堂々とした立ち回りで観客を魅了した。
偉人が歴史伝える
同公演は演劇ユニット「30︱DELUX」が手掛ける幕末ショー。浦賀奉行所で働く戸田氏栄と中島三郎助が2023年の浦賀にタイムスリップし、同部員が演じる現代の高校生に黒船来航時の動乱を伝える物語。
脚本制作にあたって郷土史家への取材も行われており、黒船の大きさや戦闘力について実際とは異なる憶測や言説が流布されたことなど、当時の浦賀で実際に起きていた社会混乱を表現した。
特別授業でスカウト
部員らが出演するきっかけとなったのは同校で7月に行われた特別授業。今回の舞台で戸田氏栄役を演じ、脚本と演出を担当した田中精さんが指導する中で「この子なら会場を盛り上げてくれる」と感じた部員3人をスカウトした。
日々の授業や受験勉強の中で用意された稽古時間はごく僅かだったが、田中さんは「最初は戸惑いもあったようだが、よく食らいついてきてくれた」と評価。「俳優が地元を舞台で出演する意義を改めて感じた」と自身も部員から刺激を受けたことを明かした。
「かけがえのない経験」
24日の公演を終えた後、出演した部員の一人は「プロの演劇ユニットに帯同できた経験はかけがえのないものになる」と振り返り、「演技の幅や舞台に取り組む姿勢など普段の活動にも還元したい」と収穫を語った。
次回の出演は10月1日㈰午後2時30分から。観覧無料。また、同7日㈯、8日㈰には同ユニットによる有料公演「浦賀物語」が上演される。