八丈島産のフェニックス・ロベレニーや一点物のシェフレラなどの大型植物からミニ観葉植物まで、販売とリースを手掛けているのが秦野市鶴巻南にある「ウナプランタ グリーン」です。湘南地域を中心に、美しく状態の良い植物と丁寧なアフターフォローで人気が広がっている「ウナプランタ グリーン」に、こだわりやモットーなどを取材。ウナプランタ グリーンの魅力に迫りました!
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八丈島産フェニックス・ロベレニー
同社の主力商品である「フェニックス・ロベレニー」。「ロベ」という名でも流通しているこの植物は別名「シンノウヤシ」と呼ばれ、鉢植えにも利用されるインドシナ原産のヤシです。
太い1本の幹にツヤツヤとしたな緑色の葉が羽のように広がっているのが特徴で、南国感溢れるその姿は観葉植物としても根強い人気を誇っています。
中でも八丈島産のフェニックス・ロベレニーは100年以上の歴史があり、高品質で知られています。同社では八丈島の山中から直接選び、根から抜いて秦野市にある温室まで運び、鉢に植え替えています。
「ロベは室内での観葉植物として求められる方が多く、室内でも元気に成長できるように、この温室で調整しています」と話すのは「ウナプランタ グリーン」代表の上杉由紀江さんです。
温暖多雨な海洋性気候の八丈島で育ったフェニックス・ロベレニーは、生き生きとした樹形になる一方で、本州に持ち込んだ時には気候の違いから枯れたり、葉が変色するものもあるそうです。
それを防ぐのが温室で行う手入れ。温室の天井に遮光シートをかけ、1年以上にわたって室内での成長に適した新芽に生え変わるのを待ちます。「庭先に植えたい」というお客さんのために、室外用に調整することもあるのだとか。
- 取材メモ より良い仕入れのために審美眼と技術を磨いているのが息子の上杉健一郎さん。スタッフの佐藤美紗子さんも加わり、手塩にかけて植物を手入れをしています。
お客様の「癒し」のために
「観葉植物などのグリーンをなぜ家に置くのか?それは『癒し』を得るためだと思います。そうしたお客様の『癒し』に寄り添うことをモットーにしています」
お客さんへの心配りは、出荷前の葉の手入れ、虫がいないかの確認、幹の状態や鉢に至るまで行われています。
長く愛して欲しい、『癒し』を得てほしい…そんな想いから、販売時に手入れ方法を伝えているほか、販売後も植え替えの土や外植え時期のアドバイス、剪定方法など、電話やメールでの相談も受け付け、アフターフォローを万全にしているそうです。
その親身な対応に、北海道などの遠方から連絡してくる方もいるのだとか!
「ロベ本来の美しさを知ってもらえたら嬉しい」と上杉さんは笑顔で語ります。
八丈島産の一点物「シェフレラ」
フェニックス・ロベレニーと一緒に同社が八丈島から仕入れているのが「シェフレラ」。
シェフレラは世界の熱帯から温帯に約600種が自生し、低木から高木まで様々な種類があります。同社が八丈島からわざわざ仕入れている理由、それは「樹形が一点物である」という点。
大木にもなるシェフレラですが、その枝の一部を切り、取り木という方法で根を出し、鉢に根付かせたのが同社で取り扱っているものなのだとか。
大木の一部を切り取るため、まっすぐに生えたものとは違い、幹の曲線のバランスが見事で味わいがあり、盆栽にも似たところから愛好家から根強い人気があります。
「ご連絡いただければ温室にご案内し、一点一点見て選んでいただくことができます。遠くて無理、という方にはあらゆる角度から写真を撮って送ったりすることもありますね(笑)」
年間を通して安定的に販売
温室で季節に合った手入れをしっかり行っているので、年間を通して出荷できるのも同社の大きな強みです。
また表丹沢を背にする秦野盆地の地下には、山に育まれた豊富な水源が眠っています。そんな地下水と県水がブレンドされているのが鶴巻地区で、その水が「成長にちょうどいい」のだとか。
主力商品であるフェニックス・ロベレニーやシェフレラのほか、ココスヤシ、チャメロップス、赤インチ、青インチ、オーガスタなど大型植物が揃い、樹形も様々です(種類は時期により変動)。
ミニ観葉植物を販売する「うずら工房」
「自分たちが手掛けた観葉植物を、多くの人に知ってほしい!」と同社が2023年8月に開設したのが、ミニ観葉植物の販売などを行う「うずら工房」です。
ここにはミニ観葉植物がずらりと揃っています。土苗のほか、「部屋を汚さずお手入れも簡単」と人気があるハイドロカルチャー(水耕栽培)のミニ観葉植物も。取り扱っている植物は、ガジュマルやパキラ、ポトス、シェフレラ、ペペロミア、サンデリアーナ、パープルコンパクタなど種類も豊富です。
色鮮やかなカラーサンドを使ったものもあって、こちらは女性にも人気だとか。
この店舗を取り仕切っているのがスタッフの荒木祐二さん。手先の器用さを発揮して、カラーサンドを使ったデザイン性のあるミニ観葉植物や寄せ植えなど、これもまた「一点物」を作っています。
そんな荒木さんが手掛け、マルシェなどに出店すると即完売するという商品がこちら。
なんの器を使っているかわかりますか?
この器、なんとフェニックス・ロベレニーの幹なんです。枯れてしまった一部のフェニックス・ロベレニーをどうにか生かせないかと考えたのが、この器を使ったミニ観葉植物でした。
「私にはこんな発想がなかったので、出来たときには驚きました!」と上杉さん。これも世界に一つしかない「一点物」の器でウナプランタ グリーンのオリジナル商品です。大切に育てていた植物を、枯れても別の形で長く愛してもらえるものによみがえらせる。「これもSDGsだと思います」と話します。
ハイドロカルチャーのミニ観葉植物は「ワークショップ」で作れる!
「うずら工房」では販売だけでなく、カラーサンドを使ったハイドロカルチャーのミニ観葉植物づくりのワークショップも行っています。
事前予約制となりますが、個人でもサークルなどのグループでもOK!
うーん、何色を使おう?色の組み合わせは?植物は何にしよう?……出来上がった自分だけのミニ観葉植物には愛着が湧くこと間違いなしですね!
植物への愛情を原動力に
上杉さんがこの仕事をするようになったきっかけは2010年のこと。子育てがひと段落し、再び働こうと始めたのが「企業のお祝いで贈る胡蝶蘭の配達や、店舗内に置く観葉植物のリースの仕事だったんです」と話します。
運送会社が本業の会社が立ち上げたばかりの植物事業部。すべては上杉さんに任されました。
- 取材メモ 「植物をリースするってなに!?」と混乱の中でも、結婚前に営業職だった経験を生かし、仕入れ先からリース先まで開拓していったそうです。
そうして出会ったのが、伊勢原市の”師匠”。営業の休憩ついでに師匠と話をする中で、どんどん植物への愛情に目覚めていきました。八丈島産のフェニックス・ロベレニーを知ったのもその師匠から。気が付いたときには、この仕事の魅力に取りつかれていました。
2016年、事業譲渡を受け、「ウナプランタ グリーン」を開業。リース事業を中心に、ミニ観葉植物やハイドロカルチャー販売も開始しました。
- 取材メモ 「ハイドロカルチャーは、たまたま静岡県浜松市にある会社が市場に出しているのを見て『かわいい~!』と一目ぼれです」と上杉さん。「教えてください!」と押しかけ、今に至るのだとか。「もう一人の師匠ですね」と教えていただきました。
スタッフも自身を入れて4人に増え、現在は販売を中心に行っています。
販売はオンラインでの取り扱いのほか、温室で直接選ぶ(予約制)こともできます。「うずら工房」は開店日は同社の公式インスタグラムをチェックしてくださいね。
リースも得意
リース事業では、観葉植物のレンタルのほか花プランターを取り扱い、植え込みやメンテナンスまで行っています。
リース先から戻ってきた植物は、丁寧に再生するのが「ウナプランタグリーン」の信念。鉢の植え替えや剪定など手入れを行い、また次のリース先へと『癒し』を届けるために頑張っています。
取材レポート、いかがでしたか?記者が感じたのは、スタッフのみなさんの深い植物への愛情。丁寧に手をかけられた植物が、元気で美しいのも納得というものですね。朗らかで明るい代表の上杉さんの魅力もあり、気軽に相談できる企業だな、と感じました。
気になった方は、ぜひ連絡してみてくださいね!