厚木市恩名に2020年にオープンした『青空と大地 食の市』。その2号店が23年4月にあつぎ温泉郷の市内七沢にオープンした『青空と大地 七沢温泉食の市』だ。土地柄的に「スーパーでは買えない、美味しいものをお届けします。一度食べてもらえればわかるはず」を合言葉にオープンした1号店とは異なり、こちらは「食と観光と健康」をテーマにした新店舗。
地元の生産者、卸業者、飲食店が三位一体で組んだのは同じで、七沢温泉の町おこしを仕掛けていく。厚木市が22年に施行した観光振興等による地域再生のための用途変更の第1号店舗。運営は、リンクボール株式会社(福島大地代表)が行う。
オープニングセレモニー
地元の期待は大きく、4月25日に開かれたオープニングセレモニーには、山口貴裕厚木市長をはじめ、岩澤吉美清川村長、中村幹夫市観光協会会長、難波達哉県議、厚木市議らが参加。鏡割りなどで完成を祝った。
「Bistorie(ビストワ)を復活オープン
新鮮な地場産のマーケットに、芸能人御用達のかつて東京にあったレストラン「Bistorie(ビストワ)を復活オープン。さらに人気を集めているのが、『にっぽんの宝物JAPANグランプリ』で準グランプリを受賞したジェラートを販売する「GELATO 808」。
一流ホテルや人気飲食店と取引のプロが厳選
1号店同様、肉も魚も野菜のいずれも市内外の一流ホテルや人気飲食店と契約していた業者が目利きして手掛ける食材ばかり。それだけに食材の品質は保証付き。地元産ならではの美味しい食材を発掘しPR。厚木や七沢ブランドの新名物もやがてたくさん生まれるかもしれない。
地産の野菜をふんだんに使った料理が絶品
レストランは、地元産の野菜をふんだんに使った料理を提供。平日のランチタイムはセットでサラダバーがついており、利用者からは「野菜がどれもこれも驚くほど新鮮で美味しかった!」と絶賛の声が届く。手作り料理の数々も絶品だ。ピザは窯で焼く本格志向と一度食べてみたいものばかり。
世界大会にも進出したジェラート
同施設でこの夏大人気だったのが、にっぽんの宝物JAPANグランプリで準グランプリを受賞したジェラート。
ジェラー ト職人加藤 豪さんが生み出したもので、加藤さんは8月に同グランプリの世界大会にも出場した。受賞商品は、地元の黄金井酒造の貴醸酒を練り込んだ「GELATO 7」。七沢にかけて「7」とネーミング。「静かに過ごせる老舗旅館が多いこの地の雰囲気に合わせてピッタリの大人のジェラートができた」と自負する。店名の「808」は808種類のジェラート開発をめざしたいということからネーミングした。
- その目標のとおり、期間限定で食べられる桃やパイン、バナナのジェラートなども続々登場。厚木珈琲や塩あずき、八女抹茶といった定番人気メニューもあり、いろいろな味をコンプリートしてみたい。
「七沢を盛り上げたい」ライブやイベントも
同施設では、さらなる集客や地域活性を狙って、定期的にライブパフォーマンスやイベントを開催。
5月の連休時には若者を中心に人気急上昇中の海老名市出身のシンガーソングライターFUGAさんが登場。また、10月には親子向けの「キャプテン☆ザコのバルーンアート教室」、さらにハロウィンパーティーと題して主に高齢者を対象としたカラオケ大会を開催するなど、さまざまな企画を展開している。
- 福島代表は「老若男女多くの方においでいただいて、少しでも七沢という地域の魅力を感じ取ってもらえたら嬉しい」と話す。
食品とカーボンニュートラルなライフスタイルを発進する「食の市」
調理の段階から省エネ、食品ロスに取り組む
七沢という自然に恵まれた地域をPRするだけに、食の市は環境問題への配慮も重視している。例えば、食品ロスについては、
「まずは無駄のない仕入れをすること」
「さらに新鮮なのに出荷の規格に合わないと本来廃棄に回されるような食材にも目を向け、消費者に安価で提供できる販路を開拓することや、新たな調理法などを提案している」
と福島代表。「規格外でも地元産であったり生産者が見える新鮮で美味しい食材はたくさんある。そういった商品を皆さんに提供するのも弊社の担う役割だと思っている」と続ける。
さらに施設内の電気機器も省エネ商品を設置。エアコンの温度調整にも気を配るなどし、電気使用量の削減にも取組んでいる。
- 福島代表は、「我々の業界にとってフードロスは以前から大きな課題として捉えてきました」と その上で「これからも他業界の取り組みも含め参考にしたり、多くの方との交流を通してヒントをもらうなどして、できることから実践し、よりよい取り組みにしていきたい」と意気込んでいた。