「隣にどんな人が住んでるのか知らないや」なんてことも珍しくない今の時代…。定年退職や家族との別居など、何かのきっかけで、人とのつながりが薄くなってしまうことは、誰にでも起こりえます。そんなとき、身近に気にかけてくれる人やあいさつを交わす人がいるとほっとしますよね。「自分たちの住むまちで、”ひとりぼっち”をつくらない!」と活動されている方々の想いに密着レポートします!!
神奈川区ふれあい活動員
今回取材されてもらったのは、神奈川区の「ふれあい活動」の取組です。
地区社会福祉協議会を中心に、地域に暮らす住民の方々が担い手として活動しています。単身の高齢者世帯など気になる方への訪問、散歩ついでの買い物やあいさつで、「本人や家族からの困りごとの相談」「洗濯物やごみが放置されていないか」「歩き方や身だしなみに違和感はないか」といった、共に地域で暮らしている住民だからこそわかる、「あれ?」という気づきを活動員で共有し、区役所や支援機関につなげるなど、地域を見守っています。
神奈川区で活躍するふれあい活動員さんは約1,000人、ふれあい活動で支えられている人は約1万人と言われています。気にかけてくれる存在がこれだけ地域にいるということはとても心強いことですね。
ふれあい活動員研修会
そんな約1,000人の活動員さんは、普段の活動は、各地区ごとに行っていますが、年に1回、区内の全地域の活動員が集まって研修会を開催しています。
神奈川公会堂で行われる研修会では、毎年テーマを定めて専門家による講演を実施。さらに、各地区の特色のある取組を「地域の事例発表」として紹介して、各地区での活動をより良いものにできるよう連携しています。こうした横のつながりがあるからこそ、活動が続いていくんだなと実感しました。
青木第一地区
今年の事例発表を担当した地区の一つが、「青木第一地区」。「緩やかなつながりで様々な人が地域で支え合うまち青木第一」をスローガンに、住民の交流の場づくりを進めています。年2回の研修会を実施し、日々の活動の情報共有や悩み相談などを行い、活動員同士の絆も深めています。
2024年2月、「精神障害に対する理解」をテーマにした研修会が行われました。「どんな助けを必要としているのか?」「どんな風に接すればよいのか?」を、まず知ることが大切では?という地域からの声があり、反町地域ケアプラザや神奈川区社会福祉協議会と協力して実現した研修会。当日は3人の有識者の方々が登壇し、講義を行いました。
神奈川区基幹相談支援センター
神奈川区生活支援センター (公財)横浜市総合保健医療財団
神奈川区障がい者後見的支援室 おんぷ((社福)若竹大寿会)
石川会長は、「青木第一地区は、区内でも屈指の広いエリア。男性メンバーも多いのが特徴。協力し合い、積極的に取り組んでくれる活動員の皆さんの“熱”のおかげで、地域が支えられていると実感します」と話してくれました。
地域とのつながりで楽しく
実際に活動員として活躍するメンバーにも話を聞きました。
地区全体の総括を担当する青木第一地区社協の植松さんは、「昔は身近にあった良い意味での“おせっかい”が、地域に戻ってきたと実感しています」と活動の意義を語ります。民生委員でもある大塚さんと野村さんは、「買い物のついでに立ち寄ればいいので、負担なく活動できます。普段の生活で会った時も自然と挨拶を交わす関係づくりができています」「見守りの対象は高齢の方が多いので、逆に生活の知恵など私たちが教わることもたくさんあって、会うのが楽しみです」と笑顔でやりがいを語ってくれました。
挨拶からはじめる地域デビュー
取材を通して心に残ったのは、活動員の皆さんが強い責任感を持ちながらも、楽しそうに前向きに活動していた姿です。ちょっとした挨拶や困っていそうな人への心配りなど、自分ができることから、あなたも『地域デビュー』してみませんか?自分の暮らすまちが、もっと心地よく、もっと好きになるかもしれませんよ!