三浦市文化スポーツ課はこのほど、三浦市民俗シリーズ第19集『上宮田の子供組と若者組』を刊行した。
今回テーマとなったのは、昭和初期ごろまで年齢別に区分され、特定の役割を担った組織「子供組」(小学4年〜中学2年)と「若者組」」(中学3年〜)。編集は民俗学・歴史学者で、市文化財保護委員会の田辺悟会長が務めた。
田辺会長によると、1975(昭和50)年に京浜急行が三崎口駅まで延長されたことに伴い、市民の暮らしは大きく変化。特に、民族生活にかかわる伝統的な文化の継承が途絶えたという。
その一例として、上宮田地区で1月初旬に行われてきた「おんべ焼き」を挙げた。子供組は燃やす材料となる正月飾りや縁起物を集め、若者組は消防組織としての役割もあったことなど、都市化が進む以前の調査結果報告や聞き取り調査の内容をまとめた。「今後の調査研究や伝承・発展に活用されることを期待したい」と同課。
冊子はB6判、73ページ。1千円で頒布中。
問い合わせは同課【電話】046・882・1111(内線411)