こどもタウンニュース県西(けんせい)版特別企画 小学生記者が直撃 教えて!富野由悠季アニメ監督

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ぼくたちがインタビューしてきたよ!

 富野由悠季監督は、小田原市出身のアニメーション監督・原作者。今もシリーズとして続く人気ロボットアニメの『機動戦士ガンダム』をはじめ、たくさんのアニメを作ってきたんだ。「富野監督ってどんな人?」。富野監督に「こどもタウンニュース県西」小学生記者がインタビュー(※こどもタウンニュース県西(けんせい)版2024年夏号に掲載)。

企画/こどもタウンニュース県西(けんせい) 会場/おだわらイノベーションラボ
協力/小田原市・株式会社バンダイナムコフィルムワークス

富野由悠季さん(アニメーション監督・原作者)

  • プロフィール

1941年生まれ、小田原市出身。日本大学芸術学部映画学科卒業後、虫プロダクションに入社。TVアニメ『鉄腕アトム』の演出を経てフリーに。高畑勲監督作品のほか、様々なアニメーション作品の絵コンテ、演出をてがける。2021年度の文化功労者。小田原ふるさと大使もつとめる。

  • 主な 監督作品

・海のトリトン・機動戦士ガンダム ・伝説巨神イデオン ・Gのレコンギスタ ほか

こどもタウンニュース県西(けんせい)版とは

 みんなが住む県西2市8町のまちのことをたくさん集めた「こどもタウンニュース県西(せんせい)版」は、こどもたちに新聞や活字に親しむ機会を持ってもらうとともに、地元のことを知り、好きになってもらうのが目的です。

最新号からバックナンバーまで、デジタルブックで全てご覧いただくことが出来ます。

ぼくたちがインタビューしてきたよ!

Q:子どもの頃は、何が好きでしたか?

加茂豊くん(横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校3年生)

  • 富野監督:運動が得意じゃなかったし、勉強も好きじゃなかった。好きだったのは「月」。小学5年から中学3年まで、月に行く方法を一生懸命勉強しました。ガンダムを作る時の知識は全部この時に勉強したものです。一番びっくりしたのは、アニメを作る他の大人は知らなかったことです。

Q:小田原で好きなところはどこですか?

西田芽生さん(小田原市立足柄小学校1年生)

  • 富野監督:酒匂川です。じいちゃんが好きだった50年前の酒匂川は、ダムがまだなくて水が飲めるくらいきれいだった。泳ぎも覚えました。

Q:なぜアニメ監督になったんですか?

福本望結さん(開成町立開成南小学校1年生)

  • 富野監督:映画の仕事がしたかったけど、大学を卒業したときに不景気で映画会社が採用をしていなくて、アニメの会社に入りました。 40年以上アニメの仕事を続けてきましたが、好きな仕事を続ければいいというものではなくて、嫌いな仕事でもやってみて「これは自分でもできる」と思うことがあります。お父さんやお母さん、学校の先生たちは「好きな仕事を見つけろ」と言いますが、好きなもので仕事につける人はほとんどいません。覚悟して嫌いなものでもやる、大人になってやっていく、それが世の中です。

Q:お気に入りの作品は何ですか?

福本蒼太くん(開成町立開成南小学校3年生)

  • 富野監督:自分で作ってきた作品で気に入った作品はほとんどありません。成功した作品じゃないかぎり、大人として仕事をやったことにならないから。ガンダムとタイトルをあげておくと誰にも嫌われずにすむので、「一番はガンダム」としています。でも半分はうそです。

Q:好きなガンダムは何ですか?

飯田柚花さん(小田原市立三の丸小学校1年生)

  • 富野監督:じいちゃんの立場であれが好き、これが好きと本当は言ってはいけないけど、40年前に一番初めに作ったガンダムは好きです。それ以外はたくさんあって覚えきれないから。

Q:好きなキャラはいますか?

西山虎希くん(小田原市立芦子小学校5年生) /  長谷川碧くん(平塚市立富士見小学校1年生)

  • 富野監督:全部好きです。悪いやつも。物語の中で「こういう悪人がつくれた」とうれしい。人気がでないかぎり作ったとは言えないけれど、「破嵐万丈」(はらんばんじょう)が一番好きです。

Q:「黒歴史」(くろれきし)の使い方は?

飯田陸翔くん(小田原市立三の丸小3年生)

  • 富野監督:ガンダムの世界の黒歴史はここでは話しません。アニメを長年作っていると10年前のことで反省しなくてはならないこと、いやだなと思うことを昔の話にしてしまうことが黒歴史なのかなと思います。とても難しいので、黒歴史という言葉があることだけ覚えておいてください。

Q:次はどんなアニメを作ってみたいですか?

西田悠人くん(小田原市立足柄小学校5年生)/石田丞くん(大井町立大井小4年生)

  • 富野監督:頭の中で新しいお話しが2、3つあります。でも企業秘密なので話せません。どうしてか大人の世界ではそうなんだよ。

Q:うまくいかないときは?

神保陽彩くん(小田原市立町田小学校3年生)

  • 富野監督:しょうがなく作っちゃう。ガンダムの企画を考えたときに、チャンバラができないと劇にならないから、敵と味方を近づける必要があった。宇宙空間には何もないことがヒントとなって、ミサイルが使えない電波障害を起こす「ミノフスキー粒子」という設定にしました。実はこれがガンダムの肝です。

Q:横浜に作られた大きなガンダムは?

加茂航くん(湘南学園小学校6年生)

  • 富野監督:1歩ぐらい歩かせたいと話しましたが、あの大きさになると日本で作る場合は、乗り物ではなく建築物です。人型はとても無駄が多いんです。なぜガンダムの世界で人型かというと、宇宙には何もないから人型の機械にすることで仲間がいて安心して仕事ができるからです。宇宙で人が住む場所をつくるために産業用としてつくられたのがモビルスーツです。宇宙で迷子になっても、コックピットで1週間過ごせるような空間を考えてあの大きさにしました。

富野監督からのメッセージ


 『機動戦士ガンダム』では地球上で増えすぎた人口を宇宙のスペースコロニー(人工都市)に居住させた地球にす住む人と、宇宙に住む人との人類同士の宇宙戦争を描きました。

 今ここで聞いたことは覚えている必要はないんだけど、10年後に思い出す人もいます。諸君の未来に期待して今日はこれで終わります。

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住所

神奈川県小田原市

公開日:2024-07-04

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