茅ヶ崎市は「危険な暑さから身を守り、誰もが一時的に休憩できる場所」として、公共施設や民間の事業所を「炎天下かけこみスポット」(クーリングシェルター)に指定する取り組みを進めている。厳しい暑さが続くなか、熱中症を未然に防ぐためにさらに増やしていきたい考えだ。
この取り組みは今年4月に気候変動適応法が改正されたことに伴うもの。市は6月から、公民館のほか博物館や図書館など市直営の施設を対象にスタートした。
「かけこみスポット」に指定される施設の1つ高砂コミュニティセンター(茅ヶ崎市中海岸1の2の42)では、買い物の途中などで涼みに来館する高齢者が多く、1日およそ20人ほどが訪れるという。施設担当者は「このまま歩いていたら危険と思ったら、ひと休みする場所として利用してほしい」と話す。
その後は大型商業施設など、参加施設が徐々に増えており、現在は27施設が利用可能。8月には40施設を超える見通しという。
7月12日には、茅ヶ崎介護サービス事業者連絡協議会が市と協定を締結し、10事業所を開放することを決めた。同協議会の小野田潤会長は「介護事業所に立ち寄ってもらうことで、コミュニケーションを取るきっかけになれば」と話す。
市環境政策課の松本賢一課長補佐は「スポットの利用が増えれば、熱中症に対する意識啓発にもなる。さまざまな地域に広がっていけば」と期待を寄せる。利用可能な施設は随時更新しており、市のホームページから閲覧できる。
高齢者の救急搬送増加
連日の暑さにより、熱中症による救急搬送が相次いでいる。茅ヶ崎市消防本部管内(茅ヶ崎市・寒川町)では、統計を取り始めた4月29日から7月22日までに75人が熱中症とみられる症状で救急搬送されている。そのうち60歳以上は51人で、とりわけ80代が最も多いという。