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もっちもちのかみごたえがクセになる「手打ちうどん」で夏に打ち勝つ!《茅ヶ崎市・さぬきや》市民ライターななごんさんがレポート

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もっちもちのかみごたえがクセになる「手打ちうどん」で夏に打ち勝つ!《茅ヶ崎市・さぬきや》市民ライターななごんさんがレポート
8種類の野菜天せいろ

最近は秋でなく、今の時期に行われることが多い子どもたちの運動会。あまりに暑い観戦にぐったりとしていた母の私。もうだめ…頭がもうろう。

隣で見ていた次女からの提案。「昼は気になっていた、さぬきや行こうよ!学校から近いし、午後の部も間に合うはず」。

いざ矢畑へ。食べ物が待っていると思うと、足取りは驚くほど速い。

お店到着、11:50。ちょうどお昼どき。混んでそう。木の扉をあけると、掘りごたつのテーブル席、カウンター席ともぎっしり。大入り満員です。

内装は、温かみのある「木」が印象的。すこし暗めの明かりで落ち着いた雰囲気

子連れでも気兼ねなく

テーブル席の、よちよち歩きのお子さんが目に留まります。私たちの後にも小さなお子さん連れファミリーが来られ、2組待ちとなりました。

待っている子どもがぐずって泣き出し、そしてテーブル席の子どももつられて泣き、泣き声の二重奏。女将さんらしき方が上手にあやしてくれて、雰囲気はぐっとなごやかに。小さい子どもを連れている親にとって、こういった「ひと声」にほっとします。

子どもが黙って食べているのはおいしい証拠

「暑い時には熱いもの」が持論の私。カレーうどんには目がないのです。「かもと彩り野菜のカレー」(1,200円)を迷わず所望。次女は「冷やし海老天ちらしうどん」(1,200円)を頼みました。

冷やし海老天ちらしうどん」(1,200円)。黄色の錦糸卵が食欲そそります

無言で食べ続ける次女。大抵、子どもが黙って食べているときは、おいしい証拠。黙々と食べております。

冷えたうどんの上には、ぷりっぷりの海老、錦糸卵どっさりに紅ショウガ。次女の好物ばかりが乗っているひと品。お皿と真剣に向き合っております。

「かもと彩り野菜のカレー」(1,200円)。重厚感たっぷり!

暑い夏こそカレーうどん

「エプロン使いますか?」とお店の方。大き目厚手の鉢にもられた、カレーうどんの到着。品名通り、カレーをレンゲですくってみると、ゴロゴロと野菜たちが姿を現します。インゲン、パプリカ、ナス、ニンジン、シメジ、カボチャ、プチトマトまで!この野菜たっぷり感が、「体にいいもの食べています感」マシマシです。

「かもと彩り野菜のカレー」(1,200円)。重厚感たっぷり!

メインのカモ肉。身の引き締まったカモをかみしめていると、「真夏日に負けてなるものか」と体のあちこちからパワーが出てきます。カモのコク、うま味もスパイシーなカレーと相まって相乗効果。コシのあるうどんにどろりとしたカレーがからみ、はしが進む進む。額の汗をかきかき、恥ずかしながらほぼ、おつゆを飲み干して完食!
いやー、この一杯に元気をもらった。午後の運動会鑑賞も頑張れそうだ!

揚げ玉50円、安すぎだ

扉近くに置かれた「揚げ玉50円」に注目。「お母さん、この揚げ玉、いい匂いがするよ。野菜のきりはし入ってるし」と買ったばかりの揚げ玉を犬のようににおいをかぐ、次女。
夕食はどっさり「さぬきや」さんの揚げ玉を冷やしうどんにかけて頂きました。揚げ玉は冷凍保存がオススメだそう。

炎天下、頑張っていた長女に、昼「さぬきや」さん行ってきたことを恐る恐る打ち明け。
「お母さん、うどんのおつゆ飲んだの?」とグルメライター顔負けの鋭い突っ込み。
「うどんも大事だけど、出汁も大事だからさー、どうなのよ」と。

ごめん、おろかな母は、カレーうどん食べてきました。「ホントだめだなぁ、それじゃあもう一回行かないと」というわけで再度見参!

梅雨入り宣言下、リベンジ来店

茅ヶ崎も梅雨入り宣言をした肌寒い夜。娘2人連れて来店。

卵とじ(850円)

ふわふわ卵に目がない長女。「卵とじうどん」を選び、刻みネギを全乗せ。「ちょっと太めの麺だね。もっちもちのかみごたえだー」とうどんをすすり、「ネギの風味とあっさりだしがたまらなーい」とだしを全部飲み干しておりました。

地魚入りさしみ4点盛(1,000円)

長女は、食べ盛りの中学生。うどんだけでは物足りません。お酒の肴メニューからお刺身を所望。今日アジの酢〆、サーモン、シマアジ、中トロ、タコ、卵。

「とろける~このシマアジ」と叫びながら、ハイペースでお刺身は減っていきます。

バラエティー豊かな野菜がうれしい、8種類の野菜天せいろ(1,100円)

私は「8種類の野菜天せいろ」を選びました。インゲン、マイタケ、ナス、サツマイモ、カボチャ、レンコン。そして夏らしい、あっさりとしたミョウガ。歯ごたえが小気味いい。

カレーうどんでも私を驚かせてくれた、プチトマトが薄い衣をまとってここでも登場! 天ぷらでトマトって人生初めて食べます。サクッとした衣に包まれたトマトの弾けるみずみずしさよ! 単品でこれだけ食べたい。
肝心のうどんは、ほどよく弾力があります。かみごたえが心地よく、スルスルと食べられます。

天ぷらつけめん(1,450円)

次女が選んだのは「天ぷらつけめん」。あっという間にうどんだけ、平らげてしまいました。

うどんと天ぷらを交互に食べないの?「だってうどんがおいしいから…」。

よく分かるよ、その気持ち。私の分までうどんを狙ってきたので、惜しいけど次女へうどんを少々お裾分け。

そして、うどんが乗っていたお皿にみんな注目です。なんだこの穴?

うどんが乗っていたお皿

「水切りじゃないの?」と子どもたち。ピンポン、ご名答。

「ざるで出すところ、特注でお皿に穴を開けてもらったんです」と答えてくれたのが、お店のご主人・和田大介さん。

三代目に聞く、うまさの秘密

「正確にいうと、僕は三代目になるのかな?」といいながら、ご主人は話して下さりました。
同店、発祥は初代祖父。軍人として、戦地に赴き敗戦を迎えたころ、四国出身の同じ軍隊仲間にうどんの打ち方を教えてもらったのがきっかけでした。

二代目は大介さんの実父。元々、東京の目黒でうどん店「さぬきや」を営んでいましたが、サーフィンが趣味だった父。「海の近くでやりたい」とここ茅ヶ崎・矢畑に店を構えたのが今から37年前。 
目黒時代からずっと変わらぬ「手打ちうどん」「手作りだし」で我々の胃袋を満たしてくれています。
お店を小学生のころから手伝っていたのが、三代目・大介さん。

「ほかのことはできなかったから」なんて謙虚におっしゃられていましたが、跡を継ぎ父と二人、厨房に立ちます。  
「うどんの打ち方とかで、お父様とぶつかったりされなかったんですか?」というおバカな質問を「ケンカなんか父としたことないなー。スムーズですよ」と笑顔でさらりと返します。

父の背中を小学生当時から見続けてきたから、うどん作りにかける術は体で覚えられていたのでしょうか。今も仲良く親子で切り盛りしていますが、開店3時間前からの仕込みは三代目大介さんお一人です。
「力仕事であることは間違いない」と、うどんを打つのは、三代目の仕事。

材料はとってもシンプル。5kgの地粉、2kgの水、そして塩だけ。「安定した品質で打ちやすいんです」と北海道産の地粉を使用。

前日にうどんを打ち、寝かせて熟成させたものを翌日使います。「あんまりコシを利かせすぎてもねー。ご年配の方に食べやすいやわらかさにゆでています」と。

コシが効いた固め好きな常連さんが来られたら、顔見て茹で加減を変えているという気配り!親子二代で通う方も多いのも納得です。

昼よし、夜もまたよし

平塚漁港近くまで鮮魚を買い付けし、開店前から大忙し。フレッシュな鮮魚を活かした酒の肴類も充実です。壁に張られた「今月の日本酒」のお供に、いかん。飲みすぎてしまいそう! 
お酒は地元。柳島の利酒師がいる「青木商店」から今月のおススメを選んでもらっているというから、外れはなーし。

味のあるお品書きの文字はすべて二代目・大介さん御父上によるもの。
女性グループ客でにぎわう、ランチタイム。のんべいにやさしい夜。昼も夜も大にぎわいの「さぬきやさん」。

ですが、2020年師走のころ、休店せざるを得ない事態勃発。

三代目大介さんが、バイクで事故に遭い両腕、それも手首とひじをケガされてしまい…手打ちうどんが打てなかった4カ月間が最も辛かったと話します。「コロナもあったし…リハビリ励みながら、うどんもまた打てるようになってちょうど今が一番いい感じです」。

続々とマンションが建ち、子連れ世代が増えてきている茅ヶ崎市。「子どもが生まれたって常連さんがお子さん連れで来てくれるのがうれしいんですよね。物価高だけど、値段は上げずに、がんばれるところまでがんばりたい。来てくれる人が、『おいしいね』って言ってもらえるように」と店主・和田大介さん。

何もかも値上がりしている昨今、なかなか言えないセリフです。ええ、喜んでわたくし「さぬきや」さん応援団の一員として通わせてもらいます。

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住所

神奈川県茅ヶ崎市矢畑699-4

問い合わせ

手打うどん・旬菜 さぬきや

11:00~14:00 / 17:45~20:00
定休日:月曜  ※土、日曜・祝日は昼のみ営業

電話

0467-85-1771

0467-85-1771

予約はできません。クレジットカード利用不可、PayPay利用可。
駐車場8台(店の前2台・駐車場6台)

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公開日:2022-07-21

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