小学校の卒業イベント、カフェの一般開放、SDGsの取組みなどからゴルフに親しみを持ってもらおうと、ゴルフ場を舞台に様々なイベントを企画しているGDO茅ヶ崎ゴルフリンクス。2024年も近隣の小学校に通う3・4年生を対象にした夏休み特別イベント・“生きもの観察”と“フットゴルフ体験”が8月20日(火)に開催されました。
ゴルフ場で虫捕り網とサッカーボールを持って過ごす夏休み
ゴルフ場はゴルファーが主役の場所。しかし、この日は普段のゴルフ場とは違い、小学生や保護者の賑やかな声が飛び交う特別な日となりました。
茅ヶ崎の海沿いにあるGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスが2024年でも企画したのは、夏休みにぴったりの“生きもの観察”と“フットゴルフ体験”。鳥、魚、セミ、トンボ、バッタやチョウなどは街中の公園でも目にしますが、ゴルフ場という特殊な環境にはどんな生きものが生息しているのか。子どもだけでなく、大人もワクワクするイベントです。
とはいえ、いつの間にか虫が苦手になってしまった記者(子ども頃は全然平気だったのに!)は腰が少し引けながら取材をしてきました。
広大な芝生に池。多様な環境があるゴルフ場で生きもの探し
生きもの観察では、昆虫などに詳しい茅ヶ崎市景観みどり課職員の岸さんを講師に迎えてスタート。ゴルフ場には木立や草むら、池など様々な環境があること、ゴルフ場で見つかる昆虫の生態などを丁寧にレクチャー。岸さんは子どもたちに問い掛けをしながら、これから始まるゴルフ場での生きもの探しの期待を高めていました。
レクチャーが終わると、いよいよゴルフコースへ。
今回は近隣小学校に通う子どもたちが対象となっていたので、「GDOには何度か来たことがある」という参加者もチラホラ見られましたが、それでも滅多に入ることができないゴルフ場。本来はゴルファーだけが入ることを許された広大な芝生を目の前にして、子どもたちは足早に生きもの探しへ向かいます。
ゴルファーなら本来避けたいラフやブッシュですが、むしろ今回はそうした場所こそが狙うべきポイント。「蜂に気を付けて」と注意を促されながら、草や木々をかき分け、生きもの気配を探っていきます。子どもたちが生きものを発見・捕獲するたびに岸さんが詳しく解説。
4児の親としては、今時の子どもたちは虫捕りをあまりやらない・虫が苦手なイメージがあったので、ちゃんと捕まえられるのかな、触れるのかなと自分のことを棚に上げて、子どもたちの様子を見ていたのですが…。
華麗な網さばきであっという間にトンボを捕獲!
岸さんは「赤トンボ(アキアカネ)と思われることも多いけど、これはウスバキトンボだね。長い時間飛び続けられるので、捕まえるのは難しいんだよ」。子どもたちが次々と生きものを捕獲していく姿はとても頼もしく見えました。
プロ経験者が指導するフットゴルフ体験
休憩を挟み行われたのが、フットゴルフ体験。
フットゴルフとはサッカーとゴルフが融合したもので、スイングの代わりにサッカーボールをキックして、カップインまでの数を競うゴルフとよく似たスポーツです。体験の最初に湘南ベルマーレのOB選手が講師となって、お手本を見せながら、子どもたちにキックのコツを伝授しました。
子どもたちにとってはゴルフクラブをスイングするよりボールを蹴る方が馴染みのある動作だったせいか、講師の的確な指導ですぐに上達。遠くに向かって安定したボールを蹴る練習をしたら、早速、コースデビューとなりました。
実際のコースを使うので、距離や方向だけでなく、起伏にも気を配りながらカップインを目指していきます。一緒にラウンドする講師はアドバイスを送るだけでなく、あと一押しでホールインワンという見事なキックも披露し、参加者からは大きな歓声があがっていました。
暑い日差しにくじけそうな記者を横目に、子どもたちは最後まで元気いっぱいにプレーしてホールアウト。保護者からは「緑に囲まれた空間で虫捕りをして、ボールを思い切り蹴る。夏休みらしい最高の体験になったと思います」との声が聞かれました。
地域に開かれたゴルフ場を目指して
他のゴルフ場では、今回のようなイベントが行われているという話はあまり聞きません。
GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスではこうした夏休みのイベントのほか、小学校の卒業記念イベント、小学校で短くなって使わなくなった鉛筆をゴルファーが再利用するSDGsの取組み、クラブハウスのカフェの利用を一般開放など、様々な人がゴルフ場に関われるような取組みが数多く行われています。
GDOゼネラルマネジャーの伊藤修武さんは「当コースは茅ヶ崎市の指定する広域避難場所でもあり、地域に開かれたゴルフ場を目指しています。近隣の子どもたちにとってゴルフ場は“森の向こうの謎の場所”ですが、こうした機会を通じて親しみを持っていただきたいです。また、近年では生態系維持の観点でゴルフ場が注目されており、今後もこの環境をしっかりと維持し、地域の皆さんと共有していきたいと思っています」