3月3日の雛祭りには、普通、雛人形と一緒に「モモ」の花が飾られます。
昔からモモは「陽を表し陰を祓う」とされ、中国では鬼を退治するという伝説があり、「鬼はモモを嫌う」といわれていました。日本昔話の桃太郎の話もここから生まれてきたものと思われます。
日本で桃の節句は、女の子を悪鬼から守る願いが込められてきました。現在では雛人形とモモの花を一緒に飾りますが、もともとモモは呪性があると信じられてきたため、旧暦の3月3日に神へ供えられ、雛人形とは別でした。それにより、モモの花を飾るときには、雛人形は飾らない地方が多かったといいます。戦後になってデパートなどの売り出しで、一緒に飾るようになりました。
モモは20世紀に入って新たに中国で原生地が発見され、それまでのペルシャ原産が中国原産になりました。
中段写真のように、同じ株の中で赤と白の二色の花が咲くことがありますが、モモは赤と白の両方の色素を持っており、たまたま別々に現れただけです。
三浦市の見桃寺は源頼朝がつくった三崎三御所の一つ「桃の御所」といわれ、参道に桃の木がみられます。