突然ですが、みなさんは「ちふく」という言葉をご存じですか?あまり聞きなじみはないかもしれませんが、正解は「地域(ち)福祉(ふく)保健計画」のことです。「誰もが安心して自分らしく暮らせる地域づくりを目指しましょう」と神奈川区では「かながわ支え愛プラン」を掲げています。同プランの下、神奈川区内では21地区ごとに、各地域の特徴に合わせて様々な活動を行っています。
「そもそも支え愛プランって何?」「どんな意味があるの?」と思ったあなた。子安小学校の児童たちと一緒に、考えてみましょう!
子安小のまちをより良くしようプロジェクト
神奈川区の子安小学校では「まちをより良くしよう」をテーマに総合的な学習の時間で取組を行っているクラスがあります。
そのクラスでは、まちをより良くするプロジェクトに取り組んでいます。まちの人へ感謝を伝えたり、多くの人に自分が暮らすまちをより好きになってもらったりと、6年3組では地域社会の中で「自分たちができること」を児童たち自らが考えて実践をしています。
まちの課題を探そうと区役所のホームぺージを見てもよく分からないため、神奈川区内のことを知る区役所の職員に話を聞いてみようとなり、2024年9月18日に、“かながわ支え愛プラン(神奈川区地域福祉保健計画)”について考える出前授業が行われました。
出前授業でグループワーク
出前授業では、かながわ支え愛プランが目指す姿や目標を紹介。続いて「子安小学校周辺の人口が今後、増えるのか減るのか」「まち全体での取り組み」「多くの人が心待ちにしている夏祭りの企画者は誰か?」と、児童たちが暮らしている地域の出来事をクイズにして出題。答え合わせをしながら、支え愛プランと関連づけて授業が進められました。担任の先生のサポートもあり、児童たちは笑顔でクイズを楽しみながら“支え愛プラン”について理解を深めた様子でした。
グループワークのテーマは、たくさんの人が一緒に暮らす新子安地区で「自分自身は“どんなまち”が好きか?」「その思い描く“まち”にするためには自分は何ができるか」とし、グループごとで話し合いました。
好きな「まち」にするためにできること
まずは、子どもたちがグループに分かれて、どんなまちが好きかという意見を出し合いました。「楽しいまち」「公園が大きいまち」「食べ物がおいしいまち」などに加えて、「ベイスターズが近くにあるまち」「カワウソがいるまち」「無料Wi-Fiのあるまち」「美味しいお寿司屋さんが近いまち」など、子どもらしい意見が上がりました。一方で、「明るいまち」や「ゴミが少ないまち」、「緑が多いまち」や「挨拶でいっぱいのまち」といった現実的な意見も。地域の人々にとって暮らしやすい、暮らしたくなるまちに対する子どもたちのイメージが感じ取れました。
次に、そんな「まち」にするためにできることを子どもたちなりに考えました。まずは今の自分たち個人でできることについて。「自分からあいさつする」「困っている人がいたら助ける」「ゴミ拾い」「地域のイベントに積極的に参加する」といった意見が上がりました。他にも将来やご近所全体で取り組めることに関しては、「大人になって地元に帰ってくる」「地元で働く」「防犯カメラをつける」「放課後の校庭をみんなに開放する」といった意見も。
色んな意見の中でも、特に多かったのが、暮らしているまちの美化に関することです。6年生たちは、前年度にご近所の方々と一緒に、学校近くの入江公園での清掃活動に取り組んでいます。そうした活動もあり、自分たちにできる第一歩として美化活動を上げる児童が多かったようです。
子安小学校では、ほかにも地元飲食店との商品開発、公園のPR、福祉大会での発表会など、ご近所の方々との関りを大切にしています。山本加奈代校長は、「いろいろな活動を通して、学校周辺にはたくさんの人がいて、様々な人たちが自分たちのために活動してくれていることを子どもたちにも知ってもらいたい」と話します。今回の出前授業内でも、子安小学校で行われる毎年恒例の「夏祭り納涼大会」は、地元の新子安地区連合自治会が開催していることなどを知り、子どもたちは「今までお世話になった近所の皆さんへの感謝」の思いをより強くしました。
かながわ支え愛プランとは
今回の授業で子どもたちは、「どんな地域になったら暮らしやすいか」「そのためには何が必要か」「自分たちにできることは何か」について考え話し合いました。こうした取組みこそが、まさに「かながわ支え愛プラン」そのものです。
取材を終えて
子どもたちと同じように、記者自身が暮らす地域のことを考えると、まちのために活動してくださる方々の存在に気づきました。まずは「近所の人に挨拶する」「地域のことを知る」など、ちょっとした行動が「自分たちのまち」を一緒につくることにつながります。みんなが暮らしやすい“支えあい(愛)”が広がる神奈川区にするために、自分のできることから取り組んでみませんか?さっそく「かながわ支え愛プラン」を見てみることから始めてみましょう!