川崎市内の葬儀社8社と、賛助会員26社が加盟する「川崎葬祭具協同組合」。1955年に川崎市長の認可を受けて設立され、市から認定を受けた創業40年以上の実績を持つ葬儀社らで構成されています。
同組合では、川崎市と連携し、2015年に市と葬儀における消費者トラブル防止に関する協定を締結。災害時における緊急対策に関する協定や大規模災害訓練への参加、震災被災者への義援金活動など社会貢献にも積極的に取り組んでいます。
使用済みろうそくを回収し、寄贈
その活動の一つが、使用済みろうそくの回収です。2020年10月から始めたこの取り組みは、川崎市内の寺院が、茨城県取手市の社会福祉協議会から「使用済みのろうそくを寄付してもらえないか」という相談を受けたことがきっかけでした。取手市では、障害者の就労支援の一環で、使用済みろうそくと廃木材を使って「着火剤」を製造しており、それをホームセンターで販売。収益は障害者の賃金になっています。製造された着火剤は品質が良いことから、需要が高い反面、それに見合ったろうそくが確保できずに生産が制限されていたそうです。
そこで、同組合では、川崎市内で使用済みろうそくを回収し、21年7月に取手市の障害者福祉施設に184㎏ものろうそくを寄贈しました。
二度目の寄贈
- 齋藤理事長にろうそくを手渡す㈱中原屋葬祭センターの原敏之代表取締役社長
- ㈱石橋斎場の石橋隆志代表取締役
- ㈱大和葬祭センターの荻野健治代表取締役
- ㈱飛鳥典禮の真鍋康行代表取締役社長
川崎市内でも同様の事業展開を見据えていたところ、川崎区の障害福祉サービス事業所から賛同を得てスタート。使用済みろうそくを回収するため、川崎市営北部斎苑、南部斎苑に回収ボックスを設置。これまでに同事業所に120㎏のろうそくを提供してきました。齋藤隆理事長は「本来は廃棄されるろうそくを再利用することで環境に優しく、その収益が施設利用者の賃金にもなるのは大きい」と話しています。
この取り組みに対し、昨年7月に福田紀彦川崎市長から表彰状が贈られました。表彰の報告と併せて、二度目の使用済みのろうそくを寄贈するため、3月24日に同組合の齋藤理事長が取手市を訪問。各会員が用意した計100㎏のろうそくを取手市立障害者福祉センターふじいろの小林一郎施設長に手渡しました。小林施設長は「ろうそくは必要な材料なので、寄贈いただけて感謝している。ろうそくの有効活用の輪が広がってうれしい」と話しています。
今後は新商品も視野に
齋藤理事長は「今回訪問した際に、着火剤以外にもアロマキャンドルなど新商品を製造、販売し売れ行きが好調だという話を聞いた。川崎市では、着火剤の需要が少なく、販路も苦労しているため、同じような商品の展開ができないかというヒントをもらえた。それができれば、川崎市のふるさと納税の返礼品などにもつなげられるかもしれない。市内の企業にも協力していただければ」と今後の展望について話しています。
同組合では、使用済みのろうそくの回収を継続して行っています。回収BOXは、川崎市営北部斎苑、南部斎苑、組合会員の店頭に設置されています。齋藤理事長は「障害者の就労支援にもつながるので、使った後のろうそくが残っていれば、届けていただければ。今後もご協力をお願いします」と話しています。
- 同組合では、今後も葬儀についての正しい情報や、優良なサービスの提供を、歴史ある専門業者として市民に提供していくと同時に、社会貢献活動を続けていく考えを示しています。
■会員企業■
【川崎区】(株)石橋斎場
【幸区】(株)中原屋葬祭センター
【中原区】(株)川崎葬儀社、(株)鳥海葬儀店
【高津区】(株)宮崎葬儀店
【宮前区】(株)大和葬祭センター
【多摩区】(株)田商事
【麻生区】(株)飛鳥典禮