昨年小田原市に移住した学芸員の松田重昭さん(77)がこの春から、レオナルド・ダ・ヴィンチの業績や人生を紹介する講座を開講する。5月17日(土)には、おだわら市民交流センターUMECOで準備講座を開催。講座の概要を解説し、取り上げるテーマの要望を聞く。午後5時〜7時。一般1000円、中高大生700円、小学生以下無料。先着35人。
“天才”に衝撃
学芸員で、栃木県の公立美術館で館長も務めた松田さん。レオナルド・ダ・ヴィンチに関心を持ったのは約25年前。現代で実用化されている技術のアイデアが、彼のノートに記録されており、「500年前にこんなことを考えていた人がいたんだ」と衝撃を受けたという。よく知られているのは『モナ・リザ』や『最後の晩餐』の絵画だが、科学技術や植物学、都市計画など、「多岐にわたる分野の発展に貢献したことは意外と知られていないのでは」。
これまで、日本各地の美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会を企画してきた松田さん。ノートに記された図面を基にして作られたヘリコプターや印刷機などの模型を展示して、「知られざる天才の業績」を分かりやすく紹介。入場者数が約20万人の大規模な展覧会も成功させてきた。
なぜこれほどの発明を生み出すことができたのか、今回開講する講座では彼の人生にもスポットを当てて紹介する。レオナルド・ダ・ヴィンチは満足な初等教育を受けていないと言われているが、代わりに周りの自然や現象に関心を持ち、そこから考えを深めたという。「自分の力で考えることが大事だということを実証した人。テストで点を取るテクニック的な勉強ではなく、考える力を養うことの大切さも伝えられたら」と話す。
準備講座の申し込み、問い合わせは松田さん【電話】090・4092・8839、【メール】idea-1501@cg.em-net.ne.jp。